企業家向けビジネスイベントBIGがパリで開催（フランス、日本）

欧州最大級のビジネスイベントの1つ「Bpifrance Inno Génération (BIG)」が10月10日、パリで開催された。技術、社会における課題やトレンドを発見するイベントであるBIGは、2024年に10周年を迎えた。2024年は「進歩」をテーマとして、約300のカンファレンスに1,000人以上が登壇、計8万5,000人が来場した。

BIGはBPIフランス（フランス政府公的投資銀行）が主催し、テーマ別カンファレンス、ワークショップ、個別ミーティングが行われ、フランスを中心とした国内外の起業家、中小・中堅企業、大手企業の最高経営責任者（CEO）や研究者、学生などが参加している。2024年は生成AI（人工知能）、医療分野におけるイノベーション、再工業化、モビリティーなどのトピックが取り上げられた。

各カンファレンスが開催されているBIGの会場（ジェトロ撮影）

70人のトップスピーカーが集うメインステージ「BANG」には、アントワーヌ・アルマン経済・財務・産業相が登壇した。アルマン氏は、6月の下院解散以降に中断されている企業の事務手続きなどの「簡素化アクションプラン（フランス語）」について、抜本的な改善を提示すると述べた。また、BPIフランスによる企業支援や、ハイテク企業を支援するTibiイニシアチブ（フランス語）による基金（2023年6月20日記事参照）、中堅企業を目指す中小企業向けのサポートを行うETIncellesプログラム（フランス語）の継続が必要だと言及した。

日本におけるビジネスチャンスをアピール

起業家にとっての日本の魅力を紹介するべく、「日本におけるイノベーションとテック」と題したカンファレンスも開催された。BPIフランスがモデレーターを務め、パネリストとしてフランス企業ファシリティジャポン（注）のイブ・コルヌCEO、フランス貿易投資庁ビジネスフランス日本事務所のティボー・ファーブル ディレクター、ジェトロ・パリ事務所の井上尚貴ディレクターが登壇した。ジェトロからは、2024年5月にカントリー・オブ・ザ・イヤー（特別招待国）として参加したビバ・テクノロジー2024（2024年6月3日記事参照）に言及し、日本企業によるオープンイノベーションの機運の高まりなどを紹介した。そのほかの登壇者からは、日本における投資の拡大や成長ポテンシャルの高い注目分野、東京都が主導するイノベーション展示会Sustainable High City Tech Tokyo（スシテック東京）や2024年秋に名古屋にオープンするオープンイノベーション拠点STATION Ai、大阪・関西万博における新技術紹介の取り組みなどが紹介された。起業家にとっての日本市場の魅力のアピールに加え、会場からはジェトロによる日系スタートアップの海外展開支援などに関する質問が出るなど、日系企業の海外展開への前向きな姿勢も感じられた。

カンファレンス「日本におけるイノベーションとテック」（ジェトロ撮影）

（注）障がい者・高齢者がアクセス可能なウェブサイトを実現するソリューションを開発。日本への進出においてジェトロも支援を行った。

（大野裕太郎）

（フランス、日本）