新型コロナワクチン接種開始、第1段階は医療従事者が対象(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年2月22日 15時50分

南アフリカ共和国政府が調達した米国製薬・医療機器大手ジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナウイルスのワクチン8万回接種分が2月16日にヨハネスブルクのORTタンボ国際空港に到着した。翌17日に接種が開始され、ケープタウン市郊外のタウンシップ(注)の医療施設で、シリル・ラマポーザ大統領やズウェリ・ムキゼ保健相も接種した。医療従事者を対象に国内全州で接種を開始しており、11日のラマポーザ大統領による施政方針演説(SoNA,2021年2月17日記事参照)でも、今後数週間でさらに約50万回分の同社製ワクチンが到着する予定と説明していた。

第1段階として、国内の医療従事者125万人を対象にワクチン接種を優先的に進めることは、1月に政府が発表した「ワクチン展開戦略」に沿ったものだ。当初予定していた英国製薬大手アストラゼネカ製ワクチン(2021年2月3日記事参照)が臨床実験の結果、国内で主流となっている変異株「501Y.v2」の感染による軽・中程度の症状に対して27%の予防効果しかないことが明らかになり、政府は急きょジョンソン・エンド・ジョンソン製(同57%)に切り替えた。政府はさらに世界保健機関(WHO)などの「COVAXファシリティー」から1,200万回分のワクチンを確保しているほか、米製薬大手ファイザーも2,000万回分のワクチン提供を約束しており、2021年第1四半期(1~3月)末から供給される見込みだと説明している(南アの全人口は約5,900万人)。

2月18日時点の1日当たり新規感染者数は2,327人、回復率は93.6%と、2020年末に実施された政府の感染対策が奏功し、一時に比べて感染拡大は大幅に鈍化しており、2月1日に一部制限の緩和が行われた。一方で、政府は2月11日、2020年3月から続く「国家的災害事態(2020年10月21日記事参照)」の3月15日までの延長を発表した。

なお、サブサハラ・アフリカの国々では南アに先駆けて、島国のセーシェル(2021年1月19日記事参照)や、モーリシャス既にワクチン接種を開始している。他方で、こうした国々を除くサブサハラ・アフリカの大部分の国では、国民への大規模なワクチンの普及が2023年初旬以降になるとの見方もある(「The Economist」1月28日)。

(注)人種隔離政策(アパルトヘイト)時代の非白人居住区。現在も低所得者層が集まり、生活を続けるケースが多い

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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