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ロシア政府、非友好国企業の撤退条件を厳格化(ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 0時15分

ロシア財務省は10月30日、連邦政府外国投資管理委員会小委員会の議事録第268/1号(2024年10月15日付)を公表した。同議事録は、過去の類似の2つの議事録(2023年7月7日付議事録第171/5号、2023年9月26日付議事録第193/4号)を修正したもの。ロシアからの撤退に当たり、非友好国(注1)の企業がロシア事業を売却する際の条件(2023年7月21日記事参照)を厳格化した。この決定は10月上旬に概要が報じられていたが、今回その内容が確認された。

議事録によると、小委員会の決定によって、非友好国企業がロシア法人の持ち分などをロシア企業に売却して撤退する場合、a.売却価格を独立鑑定人が査定する価格(市場価格)の40%以下にすること(これまでは50%以下)、b.売却に際して義務付けている国庫納付金の額を少なくとも市場価格の35%(同15%)にすること(注2)を定めた。従って、国庫納付金を外国企業側が支払う場合、事業売却価格の5%しか受け取れないことになる(注3)。このほか、500億ルーブル(約800億円、1ルーブル=約1.6円)を超える取引は大統領の承認を得ることも定めた。

事業譲渡にかかる規制強化を理由に、申請を取り下げる企業もあるようだ。法律会社BGPのパベル・コンドゥコフ税務担当パートナーは、同措置の影響によって外国企業のロシアからの撤退が遅れる、または中止に追い込まれる可能性があると指摘する。その一方で、ロシアから撤退を望まない企業もあることを念頭に、外国企業側はロシアから撤退できない理由とする可能性もあるともみている(フォーブス・ロシア、2024年10月29日)。

(注1)欧米諸国や日本など、ロシア政府やロシアの個人、法人に対して非友好的行為を行う国・地域。連邦政府指示第430-r号(2022年3月5日付)で規定し、その後数度にわたり改定(追加)している。

(注2)国庫納付は3分割となり、売却後1カ月以内に25%、同1年以内に5%、同2年以内に残りの5%を支払う。

(注3)売却先が国庫納付金を支払うケースもある(フォーブス・ロシア、2024年10月29日)。

(欧州課)

(ロシア)

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