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大統領選を9月21日に実施へ、野党支持の動き強く(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月9日 10時0分

スリランカの選挙管理委員会は7月26日、大統領選挙を9月21日に行うと発表した。同委員会は5月に大統領選を9月17日から10月16日の間に実施すると発表していた(2024年5月14日記事参照)。

今回の選挙は、2022年春の政治・経済的混乱以降、初めて全国規模で実施される。2023年には地方議会選挙が予定されていたが、経済危機の影響で財務省が選挙にかかる予算を選挙管理委員会に拠出できず、開催されなかった。

連立与党・統一国民党(UNP)党首のラニル・ウィクラマシンハ大統領は7月27日、スリランカ南部ゴールで開催された集会で無所属での立候補を表明し、国内の政治家に政治的立場を超えた結集を促した。集会には、国会で多数派の議席を占めるスリランカ人民党(SLPP)所属の閣僚も参加し、複数議員がウィクラマシンハ大統領への支持を表明している。

一方、野党・統一人民戦線(SJB)党首のサジット・プレマダーサ氏は7月31日の大卒無職者との会合で、雇用創出や起業促進などの振興策を提起した(注1)。

同じく野党・国民の力(NPP)/人民解放戦線(JVP)党首のアヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ氏は7月21日、茨城県つくば市で在日スリランカ人向けに集会を開き、経済の安定や成長に向けた改革を提案するとともに、日本に同国への開発や投資、経済協力など積極的な関与を求めた。

スリランカの研究機関IHP(Institute for Health Policy)は7月31日に「国会議員選挙に関する投票意向推計調査結果」を、8月1日には「大統領選挙に関する投票意向推計調査結果」を発表(注2)した。国会議員選挙の投票意向調査では、SJBが38%でトップ、次いでNPP/JVPが26%、SLPPが16%、UNPが7%だった。大統領選の投票意向調査では、プレマダーサ氏が43%でトップ、次いでディサーナーヤカ氏30%、ウィクラマシンハ大統領20%だった。

両調査結果では、景気回復の実感の乏しさを背景に、UNPやSLPPなどが連携する現政権への支持は低く、野党を支持する動きが強い。

(注1)現地では教育水準の高い若年層が働き先を得られないケースも多く、大学入学資格者の失業率が全体の失業率を上回っている(2024年3月21日付地域・分析レポート参照)。

(注2)両調査とも2024年6月に18歳以上の成人446人を対象に行われた。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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