ヘイリー氏、11月の米大統領選挙でトランプ氏に投票と表明(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月23日 11時15分
米国のニッキー・ヘイリー元国連大使は5月22日、11月の大統領選挙でドナルド・トランプ前大統領に投票すると明らかにした。首都ワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所でのイベントで発言した。ヘイリー氏も共和党の予備選挙に立候補していたが、スーパーチューズデー後に撤退を表明していた(2024年3月7日記事参照)。
ヘイリー氏は4月に、ハドソン研究所のウォルター・P・スターン・チェア(注)に就任すると発表されており、今回が就任後初めてのイベントだった。同氏はイベントでまず「安全保障の弱点の危険性」をテーマに講演し、イスラエルでの紛争に関して多くの時間を割いた。その後、モデレーターとの質疑応答を行い、モデレーターから、安全保障上の課題でジョー・バイデン大統領とトランプ氏のどちらがよりよく対応できているかとの質問に、ヘイリー氏は「私は有権者として、同盟国を支援し、敵対国に責任を負わせ、国境を守り、資本主義と自由を支持し、負債を増やすのではなく減らす必要があることを理解する大統領に優先順位を置く」と述べた後、「トランプ氏は、これらの政策において完璧ではない。私は、それを何度も何度も明らかにしてきた。しかし、バイデン大統領は大惨事だった。だから、私はトランプ氏に投票する」と述べた。ただし、撤退表明をした際に述べたように「トランプ氏は、私に投票し、私を支持し続けてくれている何百万人もの人々に手を差し伸べることが賢明だ。私の支持者が何もせずにトランプ氏を支持することはない」とも続け、極端な政策を提案するトランプ氏を牽制した。
11月の大統領選挙本選に向けて、民主党からはバイデン大統領、共和党からはトランプ氏がそれぞれの党の指名獲得を確実にしている(2024年3月14日記事参照)。両者の支持率が拮抗(きっこう)している中、保守強硬派のトランプ氏にとっては、中道右派とされるヘイリー氏の支持票を取り込めるかが結果を左右する争点の1つとされている(2024年3月7日記事参照)。実際に、ヘイリー氏が撤退した後も、ペンシルベニア州など各州の予備選挙では10~20%程度の票が同氏に投じられていた(2024年4月25日記事、2024年5月16日記事、2024年5月16日記事参照)。今回のヘイリー氏の発言はトランプ氏にとって追い風になるとみられるが、ヘイリー氏の支持者が実際にトランプ氏に投票するのか、今後の行方が注目される。
ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。
(注)ハドソン研究所のウォルター・P・スターン前会長の功績を称えるために、2020年に発足された部門。
(赤平大寿)
(米国)
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