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米商務省、米企業に取引拒否加担を要請した事業者リストを更新、クアンタムに民事罰金(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 11時30分

米国商務省産業安全保障局(BIS)は10月1日、米国企業などに対してボイコット(取引拒否)を要請したと確認された事業体のリストを更新したと発表した。リストはBISが2024年3月に公表を開始し(2024年4月4日記事参照)、6月に初めて更新した(2024年7月1日記事参照)。今回で2回目の更新となる。

米国では2018年に反ボイコット法が、輸出管理改革法(ECRA)の一部として成立した。反ボイコット法は、外国政府が米国の友好国に対して取っている制限的な貿易慣行やボイコット政策などへ、米国人(注1)の加担禁止などを義務づける。違反した場合、罰金や禁錮刑などの罰則が科される可能性がある(注2)。また米国人は、輸出管理規則(EAR)706条第5項に基づき、特定のボイコットに関する要請を受けた際、反ボイコットコンプライアンス室(OAC)への報告が義務付けられている。

BISは今回、リストに36の事業者を追加した。新規に追加されたものの中ではバングラデシュやマレーシア、クウェート、パキスタンなどの事業体が多い。一方で、21の事業体を削除した。全体的にマレーシアやシンガポールの事業体が多い中、日本の事業体も1つ削除された。今回の発表に際し、BISで輸出管理の執行を担当するマシュー・アクセルロッド次官補は、「リストが導入されて以来、20以上の外国の事業体が、米国人との取引においてボイコット関連の要件を課すことをやめたと表明している」と、リスト公開による成果を強調した。

なお、BISは9月30日に、EAR上の反ボイコット条項に対する45件の違反により、データのストレージや保護などを行うクアンタムに対して、15万1,875ドルの民事罰金を科したと発表した。ただし、同社はBISに対し違反を自己開示した上で、OACによる調査に協力し、是正措置を講じたことから罰金は大幅に減額された。同社は、2018年7月~2019年12月にアラブ首長国連邦(UAE)に所在する顧客からの購入注文を受けた際、イスラエル原産品をUAEに輸入しないよう求める45件の要請を受けた。だが同社は、要請があったことをBISに報告していなかった。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)詳しくは商務省の解説ページを参照。

(赤平大寿)

(米国)

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