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米商務省、CHIPSプラス法に基づきコーニングとパワーエックスに助成(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月11日 11時0分

米国商務省は11月8日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、ガラス製品メーカーのコーニングに対して最大3,200万ドル、パワー半導体の製造販売を行うパワーエックスに対して最大300万ドルを助成する予備的覚書(PMT)に署名したと発表した。

今回の助成により、コーニングはニューヨーク(NY)州カントンの同社製造施設の拡張を行い、高純度溶融シリカ(HPFS)と超低膨張(ULE)ガラスの生産を拡大する。HPFSとULEガラスは、最先端の半導体製造に重要な役割を果たす深紫外線(DUV)と極紫外線(EUV)露光装置(注1)、フォトマスク(注2)の主要部材で、二酸化炭素(CO2)排出量を削減しながらEUVの性能を向上させられるという。商務省は、コーニングへの助成によってこれら重要部材の米国内での供給を可能にし、露光に関係するサプライチェーンで米国の技術的リーダーシップ向上に役立つとしている。この施設拡張によって、製造部門で約130人、建設部門で175人以上の雇用が創出される見込みとなっている。

パワーエックスには、ペンシルベニア州ヤングウッドにある同社の生産施設の現代化と拡張に向けた総額1,500万ドルの投資を支援する。同施設では、F-35戦闘機をはじめとする防衛用途や商業・工業用途向けの半導体パワーモジュールのパッケージングを行っている。今回の投資によって生産能力はほぼ倍増し、製造部門で55人以上、建設部門で最大20人の雇用が創出されると見積もっている。

両社とも、商務省からの助成のほか、投資額の25%を税額控除する財務省の先端製造投資税額控除(CHIPS ITC、2024年10月24日記事参照)を申請予定だ。

CHIPSプラス法による助成先は、直近では10月21日に半導体用ポリシリコン製造のヘムロック・セミコンダクターが発表されている(2024年10月25日記事参照)。

(注1)商務省は、EUV露光は7ナノメートル(nm)世代以降のトランジスタの量産に重要な技術だとし、国立半導体技術センター(NSTC)初の研究開発旗艦施設となる「EUVアクセラレーター」をNY州都オールバニに設置すると発表している(2024年11月1日記事参照)。

(注2)半導体ウエハーに微細な回路を転写する際に使われる板状の型のようなもの。

(赤平大寿)

(米国)

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