1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

民間によるリチウム開発に10カ国から88件の関心表明(チリ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月17日 0時10分

チリ政府は7月9日、3月に発表したリチウム開発体制の枠組み(2024年4月11日記事参照)に関し、6月17日にかけて実施した民間向けのリチウム開発への関心表明プロセスの結果を発表した。

16の塩湖と28の鉱床に対して54の企業あるいはコンソーシアムから合計88件の関心表明が寄せられ、政府は、期待をはるかに上回ったと評価した。提出されたプロジェクトのうち7件は今回対象外とされていた地域に対するものだったため、それらを除く81件について鉱業省が現在内容を精査している。

地域別では、アントファガスタ州が40件と最も多く、次いでタラパカ州が24件、アタカマ州が16件、アリカ・パリナコタ州が8件だった。これらの多くが、地質鉱山局(SERNAGEOMIN)による分析で地質学的にリチウムの埋蔵可能性が高いとされる地域に集中した。

チリを含め世界10カ国から関心表明があり、59件が在チリ企業によるものだったが、政府は、その多くが外国企業のチリ法人によるものと説明している。そのほかの内訳は、カナダから11件、オーストラリアとスイスからそれぞれ4件、米国から3件、中国およびシンガポールからそれぞれ2件、英国、ドイツ、インドからそれぞれ1件だった。

また、提出されたプロジェクトの80%以上でリチウムの直接抽出技術(DLE)の使用に関心が示されている。この技術は塩湖かん水からのリチウム回収において、従来の天日干しよりも処理に要する時間が短縮され、環境負荷も少なく、回収率も高い技術として注目されている。さらに、多くのプロジェクトにおいて、チリでのバッテリー製造まで視野に入れられている。

マリオ・マルセル財務相は、今後中期的に行う作業について言及。法律のすべての要件を満たすために、特に先住民との協議が次のステップの鍵になると述べた。また、8月末には特別操業契約(CEOL)にかかる鉱床割り当てが発表される予定だが、当初2~3件としていた割り当て数を増やす可能性があるとした。その後、順調にいけば2025年4月、または5月に今回のプロセスを通じて割り当てられるCEOLが決定すると見込まれている。

(大塚優希)

(チリ)

外部リンク

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください