1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

北京市、天津市、河北省のビジネス環境整備に関する3年行動プランを発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月27日 1時10分

中国国家発展改革委員会は8月19日、「京津冀のビジネス環境の整備に関する3年行動プラン」を発表した。同プランでは、今後3年間をかけて京津冀地域(北京市・天津市・河北省)における生産要素の自由な移動と最適な配置のため、制度的障害となり得る規制を効果的に整理し、貿易・投資における行政サービスをさらに向上させるとした。また、経営主体の活力が顕著に向上し、市場化・法治化・国際化を実現した一流のビジネス環境を整備することを通じて同地域の協同発展を促進するとした。

プランには、次の6つの面から具体的な取り組みが盛り込まれた。

1. 市場の規範化、地方政府による地元企業の保護や市場が分断されている状態の打破
2. 法治の強化、経営主体の合法的権益の保護
3. 包摂的かつ開放的な投資貿易環境の構築
4. 行政サービスを改善し、経営主体のニーズを充足
5. 公共サービスの共同建設や共有を推進し、地域の協同発展を促進
6. 雄安新区のビジネス環境改善を支援し、北京市から同区に移転する企業などへのサービスを強化

1.では、企業の地域をまたぐ経営や移転に関する不合理な条件などを整理し取り消すことや、独占禁止法違反の取り締まりと公平な競争の審査における連携を強化するとした。また、集積回路、サイバーセキュリティー、安全応急装備などの重点分野のビジネス環境を継続的に改善し、世界レベルの先進製造業クラスターを構築するとした。

3.では、貿易のペーパーレス化、電子決済、デジタルプロダクトの無差別待遇などにおいて世界の高水準のルールをベンチマークとするほか、同地域における条件を満たす金融機関によるクロスボーダーの資産管理などの業務展開を支援し、自由貿易試験区における資本項目の利便性を向上させるとした。

また、ネガティブリスト(注1)以外の分野について内外資本の平等な市場アクセスを確保すること、現地の状況に応じて、自由貿易試験区への行政審査・認可権限の委譲を支援すること、外資系企業の苦情処理メカニズムを改善することが盛り込まれた。

さらに、同地域における税関管理業務の連携強化、通関検査作業の最適化、スマート型国境検問所の建設に取り組むほか、鉄道、道路、港湾、空港などの物流情報拠点の接続を強化し、企業に通関と物流状況の照会サービスを提供するとした。

6.では、適格海外投資事業有限責任組合(QFLP)制度(注2)やクロスボーダーでの人民元建ての資金調達を推進し、経営が安定している優良な外資系機関によるグリーンファイナンス、養老・ヘルスケア、資産管理などへの参入を支援するとした。

(注1)外資系企業の対中投資にあたって、投資が制限あるいは禁止される分野を定めたリスト。直近で最新のものは2022年1月1日施行の外商投資ネガティブリスト(2021年版)となっているが、2024年8月19日に開催された国務院常務会議において、ネガティブリストの2024年版が審議・可決された旨が公表されている。

(注2)QFLP制度とは、中国域外の投資者を対象とし、資格認定と外貨資金の監督管理プロセスを経て、プライベートエクイティファンド(PE)やベンチャーキャピタル(VC)への人民元建ての投資を認める制度で、資本項目の開放に向けた取り組み。2011年に上海市で初めて試行され、その後は北京市、海南省、広東省広州市などで導入されている。

(張敏)

(中国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください