マスク氏がインドネシア訪問、衛星通信サービス「スターリンク」運用開始（インドネシア）

イーロン・マスク氏が率いる航空宇宙企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ（スペースX）は5月19日、衛星通信サービス「スターリンク」について、インドネシアでの医療分野向けサービスの運用開始を発表した（「コンパス」5月19日）。同社のサービス導入により、インターネット環境改善や遠隔地域での医療の質向上が期待される。

マスク氏は同日、バリ島デンパサールの保健所で実施されたスターリンクを利用した医療サービスの運用開始式典に出席した。式典は、これまでインターネットアクセスが制限されていたバリ島クルンクン、マルク州アル―諸島の保健所をスターリンクのネットワークで接続したかたちで行われた（「CNN Indonesia」5月20日）。

ブディ・グナディ・サディキン保健相は「インドネシアに約1万ある保健所のうち、745カ所はインターネットに全くアクセスできず、1,475カ所はアクセスに制限がある。遠隔地の人々に適切な医療サービスを提供するために、こうした取り組みは非常に重要だ」と述べた（5月20日保健省プレスリリース）。

EVバッテリーへの投資やAI共同開発について協議

ルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋・投資担当調整相は5月20日、マスク氏と会談し、インドネシアで電気自動車（EV）のバッテリー製造への投資や人工知能（AI）の共同開発に関して、話し合いを行ったと発表した（「アンタラ」5月20日）。ルフット大臣はAIの共同開発について、「AIを開発するインドネシアのスタートアップのエウレカと、マスク氏が率いるAI企業のエックスエーアイが協業する可能性がある」とした。

また、マスク氏は同日、ジョコ・ウィドド大統領とも会談した。ジョコ大統領は「インドネシアはデジタルトランスフォーメーション（DX）を加速化させており、インフラ整備やデジタル経済などに大きな投資機会がある」として、マスク氏が率いるスペースX、EVメーカーのテスラ、医療ベンチャーのニューラリンク、採掘会社のボーリング・カンパニーなどからの投資を呼び掛けた（5月20日インドネシア大統領府）。

（八木沼洋文）

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