米国やBRICS諸国に底堅さ、国連の経済見通し(世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月4日 0時20分
国連経済社会局(UN DESA)は5月16日、「世界経済状況・予測」の2024年中間報告書を発表した。2024年の世界の経済成長率(実質GDP伸び率)を2.7%と予測し、前回見通し(2024年1月発表)から0.3ポイント上方修正した(添付資料表参照)。上方修正の要因として、主要国が失業率を増加させることなくインフレ率を低下させ、深刻な景気後退を回避したことを挙げた。
国・地域別にみると、特に2024年の世界の経済見通しの上方修正に貢献したのは、主に米国(2.3%)、ブラジル(2.1%)、インド(6.9%)、ロシア(2.7%)の成長率見通し改善だ。米国では、底堅い労働市場と所得の伸びにより、特に中~高所得層による消費の増加が期待される。中国については、4.8%(0.1ポイント上方修正)と小幅な改善にとどまった。対して、アフリカ(3.3%)やラテンアメリカ・カリブ海諸国(1.7%)では、高インフレ、借り入れコストの上昇、持続的な為替圧力、長引く政情不安などから、低成長軌道に乗っており、特に貧困層への打撃が懸念される。また、中東諸国を含む西アジアは、2.7%と0.2ポイントの下方修正になり、ガザでの紛争や紅海での商戦攻撃の激化・拡大の可能性から不確実性が高まっている。
2025年の世界の経済成長率は2.8%で2024年と同程度の予測だが、今後数年の経済成長については、2010年から2019年までの平均成長率(3.2%)と比較して、低い成長が続くとする。世界経済はディスインフレの様相を呈しているが、国・地域間に格差がみられる。雇用状況についても、先進国での失業率が低水準を維持しているのに対して、発展途上国では高水準の非正規雇用、男女格差、若年失業率の高止まりなどが依然として蔓延(まんえん)する。地政学的な緊張の高まりや紛争激化の可能性から、UN DESAは短期的な見通しについては不透明とし、「楽観的だが、油断できない」と指摘した。
(田中麻理)
(世界)
この記事に関連するニュース
-
国際通貨基金「2024年世界経済」最新予測…フィリピンは成長率「アジア2位」の見通し
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 7時15分
-
IMF、24年世界成長率見通し3.2%に据え置き インフレリスク指摘
ロイター / 2024年7月16日 22時3分
-
コファス経済関連レポート(カントリー・セクターリスク)2024年6月 - 波乱の前兆か
Digital PR Platform / 2024年6月27日 13時23分
-
ベトナムの24年GDP伸び率は6%近くに 外需好調などで=IMF
ロイター / 2024年6月27日 9時11分
-
IMF、フィリピンのGDP成長率とインフレ率の予測を下方修正(フィリピン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月25日 0時0分
ランキング
-
1米民主重鎮、決断を称賛=ハリス氏支持で対応分かれる―バイデン氏撤退
時事通信 / 2024年7月22日 9時50分
-
2パリ五輪、4355人を「脅威」として排除 仏内相明かす、大会の治安対策で
産経ニュース / 2024年7月22日 11時27分
-
3北朝鮮エリートの脱北ラッシュ、なぜ外交官なのか…海外生活で「目覚めた」
KOREA WAVE / 2024年7月22日 16時30分
-
4バイデン氏の撤退決断、米主要紙が評価 「勇気ある選択」「米国の最良の利益」
産経ニュース / 2024年7月22日 19時34分
-
5バイデン氏大統領選からの“撤退表明” トランプ氏「いんちきジョーは最悪の大統領」とSNS投稿
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 11時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)