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タイ中銀の8月経済金融報告、財輸出と政府消費が増加するも外国人観光客数は減少(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月4日 0時0分

タイ中央銀行(BOT)は9月30日、8月の月例経済金融報告を発表した。8月のタイ経済は、前月と同水準を維持した。前月比(注)で財輸出と政府消費は増加したものの、外国人観光客数の減少により観光セクターは鈍化した。また、民間消費はわずかに増加し、民間投資は減少した。

工業生産指数は前年同月比1.9%減で、前月比でも3.0%減少した。減少した要因は、(1)自動車産業のなかでも、特に国内市場向けのピックアップトラックと乗用車の生産減少、(2)ゴム・プラスチック業界、特に前月に好調だったゴム手袋の生産減少、(3)家電業界が猛暑のよる拡大傾向から鈍化して縮小したことなどが挙げられた。その他、いくつかの製品では在庫調整の影響もあった一方、缶詰(魚)や砂糖などでは輸出向けの生産が拡大した。

需要面については、民間消費指数が前年同月比、前月比ともに0.5%増となった。サービス支出は前年同月比で5.3%増となったものの、前月比は0.2%減となり、観光客数の減少の影響が見られた。また、自動車を含む耐久財は前年同月比11.6%減、前月比でも4.6%減少しており、乗用車やピックアップトラックの売り上げの減少が響いた。また、消費者信頼感指数(CCI)は、生活費の上昇や経済成長の鈍化、洪水被害への懸念から、引き続き低下した。民間投資は前年同月比3.7%増となったものの、機械装置の国内販売や商用車の登録数が減少したことなどから、前月比では3.3%減少した。

財輸出(金を除く)は前年同月比10.5%増と大きく増加、前月比でも3.6%増と拡大した。インドへのゴム輸出や、カンボジアへの砂糖輸出が伸びるなど、農産品や農産加工品の輸出増加も一因となった。また、中東への自動車輸出なども増加した。他方、米国向けの太陽電池は貿易障壁措置の影響により前月から低下し、中国への石油輸出もこれまでの増加の反動で減少した。

8月の外国人観光客数は296万3,100人となり、前月比6.7%減だった。特にマレーシアや中国からの観光客はこれまでの好調な伸びから減少に転じた一方で、季節調整後の観光収入は前月比で横ばいとなり、主に観光客1人当たり支出の増加が観光収入を支えた。

(注)前月比は季節調整済みの数値。

(藤田豊)

(タイ)

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