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習国家主席とプラボウォ大統領が会談、関係推進に関する共同声明を発表(中国、インドネシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月15日 0時35分

中国の習近平国家主席は11月9日、北京市でインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領と会談を行った(2024年11月15日記事参照)。プラボウォ大統領は今回が就任後初の外国訪問となった。

習国家主席は、双方がよりハイレベルな戦略的相互信頼を強化し、政治、経済、人文、海事、安全保障を「5つの柱」(注1)とする協力関係を構築するとした。そのうえで、ジャカルタ~バンドン間の高速鉄道を持続的に運営し、「地域総合経済回廊」と「2国間ツインパーク(TCTP)」(2023年8月7日記事参照)など質の高い2国間協力を推進し、デジタル経済、先進製造業、循環経済、貧困削減、医薬、食糧栽培、漁業などの分野での協力を強化するとし、より多くの利便性を高める措置を打ち出し、人的往来を拡大するとした。

中国外交部によれば、プラボウォ大統領は、中国との全方位戦略協力をさらに強化し、より緊密な全面的な戦略的パートナーになると表明した。また、プラボウォ大統領は中国企業のインドネシアへの投資を歓迎するとし、インドネシアは「一つの中国」政策、「内政不干渉」原則を堅持するとした。

会談後、習国家主席とプラボウォ大統領は、共同開発、ブルーエコノミー(注2)、水利、鉱物などの分野での複数の協力文書の調印に立ち会った。

また、会談と同日に「中国・インドネシアの全面的な戦略的パートナーシップと運命共同体建設の推進に関する共同声明」(注3)が発表された。声明では、両国の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)(注4)の実施、産業チェーン・サプライチェーンなどの融合発展、新エネルギー自動車・リチウムイオン電池・太陽光発電における協力などが盛り込まれた。また、四川省成都市へのインドネシア総領事館の設置、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の質の高い推進、国連などの枠組み内での協力強化にも合意した。さらに、両国はデカップリングや保護主義に反対し、開放的な世界経済を建設するという初心を固く守り、WTOを中心とする多角的貿易体制を共に守るとした。

なお、プラボウォ大統領は李強首相、趙楽際・中央政治局常務委員兼全国人民代表大会常務委員長とも11月9日に個別に会談したほか、11月10日の「中国インドネシア工商フォーラム」に参加した。

中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の許利平研究員は、両国の関係推進は、地域ひいては世界により多くの安定性と確実性をもたらし、世界の平和と繁栄に対してより多くのプラスのエネルギーを与える、と評価している(「環球時報」11月11日)。

(注1)両国の協力分野としている「四輪駆動」(政治、経済、文化、海上協力)に、安全保障を新たに加え5つの柱とした。

(注2)海洋の生態系やその生態系が提供するサービスの保全と回復に重点を置きながら、経済成長、雇用創出、社会的・経済的統合のために海洋資源を持続可能なかたちで利用すること。

(注3)中国とインドネシアは、2013年10月3日に全面的戦略パートナーシップ関係を確立し、2022年11月16日に運命共同体建設に合意している。

(注4)両国のハイレベルな戦略協議、政治・安全・防衛の協力の主要なプラットフォーム。2025年から実施することに合意。

(蔣春霞)

(中国、インドネシア)

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