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域外労働者受け入れを強化、小売業と飲食サービス業で採用増(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月22日 0時20分

香港特別行政区(以下、香港)政府は、人材不足がもたらす課題に対処するため、域外労働者の受け入れの仕組みを強化している(2023年6月19日記事参考)。労働当局の労工処は、2023年9月4日から、促進補充労働者計画(ESLS)を実施している。ESLSは、補充労働者計画(SLS)の規制を一部緩和したもので、緩和に合わせて改称したものだ。SLSは、労工処が管理する1996年2月から導入された域外労働者の受け入れの仕組みで、26職種および非熟練または低熟練の域外労働者の雇用を禁止する措置を講じていた。しかし、小売業や飲食サービス業など香港の各部門が直面する人材不足を緩和する観点から、ESLSでは、SLSで採用を禁止していた26職種および非熟練・低熟練の域外労働者の雇用禁止措置を停止(2023年9月4日から2年間)するなど、雇用の適用範囲の拡大と運用を強化してきた。ESLSは、SLSと比較すると、域外労働者の定数を設けず、雇用者は通年で申請可能など柔軟性を設けている。

また、労工処は、申請を審査する専門スタッフを配備したことによる事前審査プロセスの迅速化、柔軟性のある求人広告の取り扱い、面接のフォローアップ、雇用エージェント向け説明会の開催などを通じて、案件処理のワークフローを改善した。雇用者は応募フォームで必要書類を提出した場合、短期間で審査されて、4週間で現地人材の採用が可能となった。ワークフローの改善により、2024年4月から6月までの間で、小売業と飲食サービス業では域外労働者をそれぞれ1,035人、5,917人採用しており、前年の同期間における申請件数(810人と5,403人)を上回る。

なお、労工処は2年間の措置停止期間が終了する前に、ESLSの適用範囲と運用を見直す予定だ。

ジェトロは在香港日本総領事館や香港日本人商工会議所と共同で、在香港日系企業などを対象にした「香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」を実施している。調査の結果、代替要員を香港で確保できない企業の割合が増加しているなど、人材確保を課題とする日系企業が多いという現状が明らかになった。これを踏まえ、同3機関は香港政府機関に対し、課題解決に向けた対応の要請などを行っていた。

(松浦広子)

(香港)

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