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米税関、中国に対する追加関税のガイダンス公表、2月4日に適用開始(米国、カナダ、中国、メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月4日 11時30分

米国のドナルド・トランプ大統領は2月1日、カナダ、メキシコ、中国に対する追加関税の適用を2月4日に開始する大統領令を発令した(2025年2月3日記事参照)。その後、トランプ氏は2月3日、SNSへの投稿を通じて、メキシコとカナダに対する追加関税の適用開始を延期すると明らかにした(2025年2月4日記事参照)。一方、中国に対する適用開始の延期の言及はなく、同国への追加関税は大統領令で示されたとおり2月4日に適用が開始される見込みだ。

今回の追加関税に関して、ホワイトハウスはこれまでに、大統領令(メキシコカナダ中国)および3本の大統領令に関するファクトシートを公表している。さらに、米国税関・国境警備局(CBP)は2月3日、輸入通関申告実務用の新規の関税分類番号(HTSコード、注)などを示した2月5日公示予定の官報案(カナダ中国)およびガイダンス(カナダ中国)を発表した。

これらの米国政府の公表資料によれば、中国に対する追加関税の適用開始日時、対象品目、関税率、適用除外、通関手続きなどのポイントは次のとおり。

〇開始日時:米国東部時間2月4日午前0時1分以降に米国での消費を目的として輸入された、または米国での消費を目的として倉庫から出庫された貨物に適用される。ただし、米国東部時間2月1日午前0時1分より前に積出港で船積みされた、または最終輸送手段に積載された輸送中の貨物は、輸入者がCBPに証明した場合、対象外となる。

〇対象品目:香港を含む全ての中国原産品が追加関税の対象となる。

〇関税率:10%の追加関税が課される。

〇適用除外:個人手荷物など、合衆国法典第50編第1702条(b)に規定される一部品目は適用の対象外となる。このほか、現時点で品目別適用除外、数量割当、関税割当などの軽減措置を申請可能なプロセスは示されていない。

〇通関手続き:

簡易通関制度:米国では、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物の輸入に対して、関税の支払いなどが免除されるデミニミス・ルールが設けられている。今回の追加関税の対象品目は、デミニミス・ルールの適用対象から除外される(追加関税が課される)。
外国貿易地域(FTZ):米国では、FTZに搬入された貨物の保管や再輸出に対して、関税の支払いなどが免除される制度が設けられている。今回の追加関税の対象品目は、米国東部時間2月4日午前0時1分以降にFTZから米国での消費を目的に輸入された場合、「特恵外国ステータス(privileged foreign status)」を付保され、FTZ搬入時の米国関税分類番号(HTSコード)に基づく関税が適用される。
関税の払い戻し:米国では、一定の期間内に再輸出された輸入貨物に対して、支払った関税を払い戻す制度(drawback)が設けられている。今回の追加関税の対象品目は、払い戻しの対象から除外される(払い戻されない)。

なお、CBPは今後も状況に応じて、貨物サービス・メッセージング・サービス(CSMS)を通じて、貿易業界向けに実務ガイダンスを提供するとしている。

ジェトロは本件に関して、経済産業省と共同で「米国関税措置等に伴う日本企業相談窓口」を設置し、積極的な相談対応・情報提供を行っていく。

(注)追加関税の対象品目に適用されるHTSコード8桁は、9903.01.20。

(葛西泰介)

(米国、カナダ、中国、メキシコ)

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