2024年の自動車生産・輸出・国内販売台数が減少も、2025年は回復を見込む(アルゼンチン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月4日 0時45分
アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)の1月6日の発表によると、2024年の自動車生産台数は50万6,571台で前年比17.1%減少した。輸出台数は31万4,735台と3.4%減少したが、仕向け地別でみると、ブラジル向けが22万5,231台で8.4%増加し、輸出台数全体の71.6%を占めた(添付資料表参照)。
2024年12月の生産と輸出は、年末需要の一巡により前月比では落ち込んだものの、前年同月を上回る水準となった。同月の自動車(トラック・バスを除く)生産台数は、前月比29.2%減少したが、前年同月比では2.8%増の3万8,018台だった。輸出台数も前月比17.3%減だったが、前年同月比では22.3%増の2万6,667台だった(添付資料図1、図2参照)。ADEFAのマルティン・ズッピ会長は「政府と協働して競争力の強化に取り組んだことにより、社会的包摂の促進と資金調達のための外貨購入に係る税(通称:パイス税)の廃止(2025年1月21日記事参照)や完成自動車に課税される輸出税の免除などが実現できた。これらに加えて、今後数年間にわたる17億ドル超の投資計画、各工場での生産性の向上などにより、課題の多い年とされながらも予想を上回る業績で(2024年を)締めくくることができた」と述べた。
アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、2024年の国内自動車販売(自動車登録、バス・トラックを含む)台数は40万5,199台で、前年比7.7%減少した。月別でみると、8月以降は前年同月比で増加が続き、12月の販売(新車登録)台数は前月比40.8%減も、前年同月比では16.4%増の2万983台だった(添付資料図3参照)。ACARAのセバスティアン・ベアト会長も「2024年の12月は過去6年間の12月と比べて最も販売があった」と述べ、2024年全体の売れ行きが予測に反して改善したのは、銀行ローンなどが組めるようになったことや、自動車価格の大幅な値引きや輸入車の供給が増えたことも影響したと説明した。
2025年の生産見通しについてADEFAは、前年比で10%から15%増加するとしており、良い政策が継続すれば予測を上回ること事も可能と意気込む。1月18日付現地紙「ラ・ボス」(電子版)がまとめた現地民間調査会社の予測も前年を10%上回る56万台から60万台に達するとしている。輸出台数の見通しは、ブラジルの通貨下落や同国のインフレ上昇への懸念があるものの、前年より約13%増加するとしている。国内販売台数の見通しについては、前年比24%増で50万台を超えるとしており、輸入規制の緩和によって、輸入車の割合が全販売台数の54%まで拡大すると見ている。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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