2024年のイスラエルのハイテク私募ファンド資金調達額は106億ドル（イスラエル）

イスラエルのスタートアップエコシステム振興を担う非営利機関スタートアップ・ネーション・セントラル（SNC）は1月14日、2024年のイスラエルのハイテク企業の資金調達動向などを分析したレポートを公表した。

同レポートによると、イスラエルでは新興企業7,030社と投資家294社がアクティブに活動している。2024年の私募ファンドの資金調達額は前年比27.7％増の106億ドルと増加したが、投資ラウンドは同3.8％減の766件だった。

成長ステージ別でみると、アーリーステージは全投資ラウンドの8割を占めたが、資金調達額は全体の29％にとどまった。ミドルステージは全投資ラウンドの15％で、資金調達額は30％だった。レイトステージは全投資ラウンドの5％にすぎないが、資金調達額は4割を占めた。

資金調達額を分野別でみると、サイバーセキュリティーが38億ドル（119件）で、ビジネスソフトウエアが26億ドル（143件）、ヘルステック・ライフサイエンスが13億ドル（188件）で続いた。

M&A件数は前年比25.3％増の104件で、金額は同51.9％増の158億ドルに達した。多国籍企業では、430社以上がイスラエルに拠点を有しており、多国籍企業によるイスラエル新興企業のM&Aは107億ドルで、全体の68.9％を占めた。

SNCのアビ・ハッソン最高経営責任者（CEO）は「2024年、イスラエルは世界のスケールアップ大国としての地位を確固たるものにした。戦闘と地政学的緊張が続いているにもかかわらず、ハイテクエコシステムは、予想外の資金調達レベル、高額のM&A取引など、目覚ましいマイルストーンを達成した」と結論付けている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

（中溝丘、アリサ・ノスキン）

（イスラエル）