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香港居民の北上消費が増加、来港者の消費パターン変化で香港の小売業に課題も(香港、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 0時15分

添付資料PDFファイル(101 KB)

香港特別行政区政府の公表資料で、2023年5月以降の陸路の検問所を介した1年間の香港居民の出境者数と中国本土からの来港者数が明らかになった(注1)。

公表資料によると(添付資料図参照)、2023年5月から2024年4月までに香港居住者の出境者数は約7,461万人、中国本土からの来港者数は約2,820万人で、「北上消費」(注2)を目的に、隣接する深セン市などを訪れる香港居住者は依然として多いことがうかがえる。

なお、香港の2024年3月の小売売上高は16カ月ぶりに前年同月比マイナスとなり(2024年5月13日記事参照)、それ以降もマイナスが続いている。

香港政府によると、「香港居民が中国本土、特に広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)に旅行し、中国本土で消費を行う理由について、正式な調査は行っていない」としつつ、「経済的に香港が中国本土との一体化が進み、香港と広東省珠海市をつなぐ『港珠澳大橋』や、広州市~深セン市~香港を結ぶ高速鉄道『広深港高速鉄路』などのインフラ整備により輸送能力が大幅に強化し、中国本土と香港間の人的往来を促進している」との見方を示した。

他方で、来港者の消費パターンの変化(注3)や香港居住者による中国本土での消費拡大などは、香港の地元中小企業の経営に課題をもたらしているという。香港政府は中小企業融資保証制度や中小企業輸出マーケティング基金などを介して、中小企業の事業発展を支援している。

また、香港政府は2024年内に、香港の経済発展への寄与を目的として、約210のメガイベントを開催する予定だ(2024年2月5日記事参照)。小売業などの観光関連産業の発展を促進し、香港の消費市場を活性化させるため、中国本土からの来港者が香港の観光資源を体験できるよう、香港政府は引き続き中国本土の関係当局と緊密なコミュニケーションを行い、香港の観光発展をもたらす政策に努めるとしている。

(注1)6月5日の立法議会での梁毓偉(ケネス・レオン)議員による香港現地の消費市場の発展促進に関する質問と、丘応樺(アルジャーノン・ヤウ)商務・経済発展局長の答弁書で示された。

(注2)香港居住者が買い物目的で中国本土を訪れて消費すること。中国本土との往来再開後、安価で買い物やレジャーなどの消費活動の選択肢が豊富な深セン市に日帰りで遊びに行く者が増加している。

(注3)中国本土からの来港者の消費パターンは、ショッピングなどのモノ消費から、街歩きやハイキングなどのコト消費に変化しつつあり、宿泊地も香港より安い近接した深セン市に変わりつつある。

(松浦広子)

(香港、中国)

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