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直接空気回収(DAC)事業の米大手企業、アリゾナ州に世界初の装置製造拠点を設立(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 0時5分

米国の直接空気回収(DAC)事業大手のカーボン・キャプチャーは6月6日、アリゾナ州メサ市に同社初の製造拠点とするための土地のリース契約を締結したと発表した。アリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)によると、8万3,000フィート(約7,700平方メートル)のこの土地で、フル稼働時には年間4,000基ものモジュール式DAC装置を製造する予定。これは、2メガトン(200万トン)の二酸化炭素(CO2)除去能力に相当するという。製造施設は2025年に完成予定で、当初は30人ほどを雇用し、2029年までに400人に増加させる見込み。

同社が製造するDAC装置は固体吸着剤を使用し、これを冷却すると大気中のCO2を吸収する仕組み。回収したCO2は地下に永久保存するか、合成燃料や低炭素コンクリート、そのほかのCO2を必要とする工業製品の製造に使用する。「フェニックス・ビジネス・ジャーナル」紙電子版(6月5日)によると、同社はグーグル傘下のアルファベット、アマゾン、JPモルガン・チェース、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトなどの大手企業を顧客とし、パートナーシップを結んでいる。2023年9月にはアマゾンと協力して10万トンの炭素除去クレジットを同社やそのサプライヤー、パートナー企業、顧客が利用できるようにすることも発表していた。

同社は全米で立地調査を行っていたが、クリーンエネルギーの利用可能性や労働力のほか、アリゾナ商業公社やアリゾナ州立大学など地元の広範な組織的支援が得られることを勘案して、同州に製造拠点を置くことを決定したとされる。同社の最高経営責任者(CEO)のエイドリアン・コーレス氏は「アリゾナ州の活気あるイノベーションエコシステムとクリーンテクノロジーへの取り組みは、当社の製造拠点として最適な場所だ。ここでチームを拡大するにつれて、全てのフルタイムの従業員に魅力的な賃金と包括的な福利厚生パッケージを提供することに尽力する」と述べている。

同州のケイティ・ホッブス知事(民主党)は「世界初の施設がアリゾナに設立されることを誇りに思う。この施設はアリゾナにとってクリーンエネルギー経済を発展させ、急成長するアリゾナの製造業を支える熟練の雇用を創出する重要な節目となる」と述べた。同州でのクリーンエネルギー事業の動向が注目される。

(堀永卓弘)

(米国)

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