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米ディスカウントチェーン業績、低所得者層の消費減速が浮き彫りに、個人消費の持続性に懸念(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月6日 0時10分

全米48州に2万店舗以上を展開する大手ディスカウントチェーンのダラー・ゼネラルが8月29日に発表した2024年第2四半期(2024年5~7月期)の決算では、純売上高が前年同期比4.2%増の102億1,036万ドルとなり、金融業界の予想(103億7,000万ドル)に届かなかった。また、通期の既存店売上高の見通しについては、従来予想の2.0~2.7%増から1.0~1.6%増と大幅に引き下げた。同社の株価は一時約30%下落し、6年ぶりの安値となった。ダラー・ゼネラルでは売上高全体の約60%が世帯年収3万5,000ドル未満の買い物客によるものとなっており、インフレの長期化や、新型コロナ禍に積み立てた余剰貯蓄の枯渇などの影響で、経済的困難に陥っている低所得者層の消費減速の様子が浮き彫りになった。景気の先行きに不透明感が高まる中、消費者の間ではより安価な商品を求める傾向が顕著になっている。これを受けて、ウォルマートやターゲットなどの大手小売り各社が値下げ競争を加速(2024年8月23日記事参照)しており、従来よりもダラー・ゼネラルの割安感が減少している上に、低価格商品を販売するTemu(テム)などの中国系電子商取引(EC)事業者が米国で存在感を高めていることも、販売不振につながる1つの要因となっている(ロイター8月29日)。

同社のトッド・バソス最高経営責任者(CEO)は「物価の上昇、雇用水準の低迷、借り入れコストの増加が、低所得者層の消費者心理に悪影響を及ぼしているため、大多数が半年前よりも家計面で不利になっていると感じている」と説明した(「フィナンシャル・タイムズ」紙2024年8月29日)。

家計の逼迫で消費者が支出に一段と慎重になっている傾向が報告されており、大手小売り各社は値下げなどの販売促進策を講じているが、こうした中で、コスト削減を併せて進めることで業績改善を報告する事例もみられる。家電量販店大手ベストバイが8月29日に発表した2024年第2四半期(5~7月期)では、純売上高が前年同期比3%減の92億8,800万ドルと金融業界の予想(92億4,000万ドル)を上回る結果となった。既存店売上高は2023年の前年同期6.2%減に対し、今回の2024年第2四半期の減少は2.3%減にとどまり、2022年度第4四半期以来の好業績となった。新型コロナ禍における需要増の反動や、インフレによる消費の需要低迷を受けて、減収が2年間、続いてきたが、従業員の給与や車のレンタル料、クレジットカード手数料の削減など販売コストを減らすことで、営業利益率を改善したもようだ。また、こうしたコスト削減と合わせて、新型コロナ禍で購入された電化製品の買い替えサイクル需要を取り込むことで、販売を押し上げていきたい考えだ。今回の決算でも、アップルなどが新技術製品を発表したことでタブレット端末などの販売が好調だったという。ただし、ベストバイのコーリー・バリーCEOは、11月の大統領選挙や年末商戦に向けて消費環境は引き続き「予測不可能でばらつきがある」と指摘の上、「2024年後半は、消費者が少し不安定になるリスクがさらに高まる」との見通しを述べており、販売の押し上げがどの程度堅調に推移するかは不透明だ。

直近7月の米国の個人消費支出は前月比0.5%増(2024年9月2日記事参照)と、消費の伸びは拡大したものの、所得の伸びは鈍化し、貯蓄率は2.9%で2022年6月以来の低水準となっているなどから、個人消費の持続性についての懸念が高まっている。

(樫葉さくら)

(米国)

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