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バイデン米政権、省庁横断の対ロシア制裁を発表、約400の個人・事業体を金融制裁対象(SDN)に(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 10時45分

米国のバイデン政権は10月30日、複数の省庁によるロシア制裁を発表した。財務省と国務省は400近い個人・事業体を、金融制裁対象である「特別指定国民(SDN)」に指定した。ウクライナの独立記念日に合わせた、8月の制裁発表と同規模となる(2024年8月26日記事参照)。また、商務省産業安全保障局(BIS)は、ロシアに対する輸出管理強化を発表した(2024年10月31日記事参照)。

SDNに指定された個人・事業体は、在米資産の凍結や、米国人との資金・物品・サービスの取引禁止が科される。SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。なお、米国人には、米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人が含まれる。

財務省の発表によると、ロシアがウクライナ侵略を継続するために必要な先端技術や機器の調達に関与したインド、中国、スイス、タイ、トルコなど17カ国の275の個人・事業体をSDNに指定した。このうち120以上の個人・事業体は、信託銀行や法人設立サービスのプロバイダーなど、金融関係の事業体を含む。財務省は、金融関係の事業体が制裁逃れを可能にする上で重要な役割を担っているとし、これら事業体などを制裁対象とすることが重要だと述べている。財務省はそのほか、ロシアを拠点とする150以上の防衛や宇宙産業に関係する企業をSDNに指定した。

一方、国務省は、中国、インド、マレーシア、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)などの120以上の個人・事業体をSDNに指定した。2024年初に任命されたロシア国防省の高官のほか、軍事修理施設、先端技術の製造業者、ベラルーシとロシアの防衛関係を支援する事業体などが含まれる。

今回、SDN指定を受けた個人・事業体の詳細は、財務省外国資産管理局(OFAC)のウェブサイトで確認できる。また、SDNに指定されている事業体や個人はOFACのデータベースで検索できるほか(2024年5月8日記事参照)、SDNやエンティティー・リスト(EL)など13の制裁対象者リストを管轄省庁横断的に検索可能な「統合スクリーニングリスト(CSL)」からも検索できる(2022年12月23日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

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