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米下院中国特別委、半導体・造船・ドローンで対中政策措置の必要性提起(米国、中国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月28日 14時45分

米国連邦議会下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委)」は6月26日、「半導体・造船・ドローン産業を支配する中国の戦略への対抗」と題した公聴会を開催した。「半導体戦争(Chip War)」の著者で米国タフツ大学教授のクリス・ミラー氏、米国製造業協会(NAM)会長のスコット・ポール氏、米国ドローンメーカーのスカイディオ創業者兼最高経営責任者(CEO)のアダム・ブライ氏が証言を行った。

中国特別委のジョン・ムーレナー委員長(共和党、ミシガン州)は公聴会冒頭の開会あいさつで、中国政府が中国企業への補助金提供や、外国企業からの知的財産窃取、中国国内での強制労働利用などの不公正な慣行を通じて、中国製品を非市場的価格で廉売し、米国企業を含めた競争相手から市場を奪うことで、サプライチェーンを寡占しているとの懸念を示した。特に半導体・造船・ドローン産業の中国の競争優位性は米国の国家安全保障上のリスクだと指摘し、米国への市場アクセスの障壁を設ける措置を講じるとともに、米国の同盟国にも同様の措置を講じるよう促す必要があると述べた。

具体的な措置案として、中国特別委のラジャ・クリシュナムルティ少数党筆頭理事(民主党、イリノイ州)は、中国製レガシー半導体の輸入増加に対抗するため、1974年通商法421条に基づく中国製品に対する緊急輸入制限(中国セーフガード)を復活・現代化させる法案を成立させるべきだと訴えた。中国セーフガードは、米国が中国製品輸入に対して関税や割当などの輸入調整措置を講じることを認めていたが、2013年以降失効している。

また、ブレイン・ルートケマイヤー下院議員(共和党、ミズーリ州)も、中国製の半導体やドローンに対して追加関税を賦課する法案を提出する考えを示し、関税障壁によって米国製品の価格競争力を相対的に押し上げることができると主張した。半導体への追加関税賦課について考えを問われたタフツ大学のミラー教授は「半導体への関税を引き上げるべきかどうかは、まさに現在実質的な議論が行われている」と述べた。

さらに、ハーレイ・スティーブンス下院議員(民主党、ミシガン州)は、2023年に日本を訪問した際に横須賀米軍基地の艦船修理工場を訪れたエピソードに触れつつ、米国内でも修理できるようにする必要があると述べ、造船産業に関しても、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)のような国内産業振興政策の検討が求められていると述べた。なお、造船産業に関しては、米国通商代表部(USTR)が2024年4月に、中国の海事、物流、造船などの分野に対する1974年通商法301条に基づく輸入調整措置の発動要否を判断するための調査を開始したと発表している(2024年4月18日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、中国、日本)

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