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9月の米消費者物価指数は前年同月比2.4%に低下も、コア指数はわずかに上昇(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月11日 14時50分

添付資料PDFファイル(318 KB)

米国労働省が10月10日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇(前月2.5%上昇)とわずかに鈍化した。他方、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は同3.3%上昇と前月(3.2%上昇)からわずかに加速した。前月比では、CPIは0.2%上昇、コア指数は0.3%上昇と前月から変化なかった(添付資料図1、表参照)。いずれも市場予測(前年同月比ではCPIが2.3%上昇、コア指数が3.2%上昇、前月比ではCPIが0.1%上昇、コア指数が0.2%上昇)を上回る伸びとなった。住居費の伸びの鈍化など良好な内容も見られた一方、財価格の低下にブレーキがかかるなど、まちまちの内容だ。なお、11月に予定されている米大統領選挙(5日)と連邦公開市場委員会(FOMC:6~7日)前に発表されるCPIは今回が最後となる。

品目別に前年同月比でみると、ガソリン価格の低下に牽引されエネルギーが6.8%下落(前月4.0%下落)し、CPI低下の大きな要因となった。食料品は2.3%上昇と前月(2.1%上昇)からわずかに上昇した。

エネルギーと食料品を除いたコア指数のうち、衣料品(1.8%上昇)が前月(0.3%上昇)よりも伸びが加速し、中古車(5.1%下落)の低下幅も前月(10.4%下落)から縮小するなどした結果、財部門は1.0%下落低下(前月1.9%下落)と低下幅が縮小した。

サービスは4.7%上昇と前月(4.9%上昇)からわずかに伸びが低下した。伸びの押し下げ要因となったのは、物価のうち3割のウエートを占める住居費で4.9%上昇(前月5.2%上昇)と伸びが低下した。賃料は4.8%上昇(前月5.0%上昇)、帰属家賃(注)が5.2%上昇(前月5.4%上昇)といずれも伸びが低下している。それ以外のサービス価格の状況はまちまちだった。保険料の上昇などを背景として輸送サービス(8.5%上昇)、医療サービス(3.6%上昇)など伸びが加速したものも複数みられ、これらを踏まえた、住居費除くサービスは4.4%上昇と前月(4.3%上昇)からわずかに伸びが加速した(添付資料図2参照)。

次回のFOMCまでには、雇用統計、個人消費支出デフレーター(PCE)の発表が各1回残されているが、(1)インフレ率の低下が緩やか、(2)労働市場が堅調(2024年10月7日記事参照)、(3)年次改定に伴い貯蓄率など家計の状況が想定以上に良好な可能性が示唆されている(2024年9月30日記事参照)など、前回会合以降に連邦準備制度理事会(FRB)の判断に影響を与え得る指標が複数発表されている。また、10月9日公表の9月のFOMC議事録では、0.25ポイントの利下げを選好する参加者が複数存在していたことが示唆されている。さらに、大統領・議会選の結果次第では、財政拡張に伴うインフレリスクについても考慮が必要となる可能性がある。これらを踏まえると、前回会合で示された見通しのとおりに2024年内にさらに0.5ポイント引き下げられるかどうかは微妙なところだ。

(注)自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払いは発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したもの。

(加藤翔一)

(米国)

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