1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

メキシコ大統領が投資計画「プラン・メキシコ」を発表、北米3カ国の協調を主張(メキシコ、米国、カナダ、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月17日 11時35分

メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は1月13日の記者会見で、総額2,770億ドルにのぼる2,000件の国内投資計画をとりまとめた「プラン・メキシコ(el Plan México)」を発表した。「プラン・メキシコ」の中では、国内の貧国と格差を是正しつつ、国の発展を促すため、次の13の目標が設定された。

1. 現在は世界12位のメキシコのGDPを世界10位に押し上げる
2. GDPに占める投資の割合を25%以上に高める
3. 150万の新規雇用を創出する
4. 重点産業(繊維・履物・家具・玩具)のサプライヤーおよび国内消費の50%をメキシコ国内で自給する
5. 自動車や航空宇宙などの分野のグローバルサプライチェーンにおいて、メキシコ産品のシェアを拡大する
6. 国が実施する調達の50%を国産品で賄う
7. 国内でワクチンを製造する
8. 投資の実行に係る手続きの簡素化や要件の緩和を行う
9. 国の重点産業に携わる専門家や技術者を年間15万人増加させる
10. 企業の環境サステナビリティを促進する
11. 金融アクセスを拡大し、中小企業のサービス利用率を30%まで増加する
12. 訪問者数で世界トップ5の国を目指す
13. 貧困と格差を是正する

会見の中でシェインバウム大統領は、「プラン・メキシコ」が長期的な目線で国が向かうべき方向性を明らかにしたもので、その実現にあたっては官民の結束が肝要と述べた。また、民間セクターに対しては、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の重要性を訴え、中国などのアジア諸国に対抗する上では、USMCAを維持し、北米3カ国が協調することが不可欠だとした。会見に同席したロヘリオ・ラミレス・デ・ラ・オ財務相は「プラン・メキシコ」を作成する上では、2000年から2023年にかけて、世界各国の輸出額総計に占める中国のシェアが1.8%から13.6%まで拡大した一方で、北米3カ国のシェアは19.8%から13.8%へ縮小した状況などがその前提となった、と説明した。

トランプ氏の就任を控え、あらためて3カ国の協調路線を強調

シェインバウム大統領は、米国のドナルド・トランプ次期大統領の「追加関税発言(2024年11月29日記事参照)」以降、これまで一貫して、米国を含む域内の企業や消費者が追加関税によって受けるデメリットを主張し、北米3カ国の協調を訴えてきた。今回の「プラン・メキシコ」についても、トランプ氏の就任が1週間後に迫る状況下で中国の脅威への対抗という共通の課題に触れ、米国とカナダへ目配せする狙いが垣間みえる。

(佐藤竣平)

(メキシコ、米国、カナダ、中国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください