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中欧班列、武漢~ドイツ・デュイスブルク間の定時運行開始、輸送効率化を実現(中国、ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月25日 0時45分

添付資料PDFファイル(233 KB)

中国湖北省武漢市を発着する列車を運行する武漢漢欧国際物流は6月19日、武漢市とドイツ・デュイスブルクを結ぶ中欧班列が往復便とも定時運行を開始したと発表した。

この便は武漢市を出発後、新疆ウイグル自治区アラシャンコウ(阿拉山口)市の口岸(注1)から国境を越えてカザフスタンに入り、ロシアやポーランドを通過し、デュイスブルクまでの1万2,000キロを結ぶ。往復便がそれぞれ週1回、武漢市を発着し、うち武漢市からの往路便は、毎週水曜日に運行する。往路便では自動車部品や電子部品、光ファイバー、繊維製品などを主な貨物とし、復路便ではドイツ産の自動車や、その他欧州産の食品、化粧品、アパレル、電子製品などを輸送している(「長江日報」2024年6月20日)。出発駅から到着駅に至るまでの全行程で発着時間が決められた定時運行化により、各駅で優先輸送・出発の対象となり、運行時間や貨物積み下ろし時間の短縮につながり、輸送効率の向上が図られる。片道の輸送時間は約13日で、従来と比較して約30%の時間短縮を実現。利用企業に対して、より安定的かつ効率的な国際サプライチェーンサービスの提供が可能となった。

武漢漢欧国際物流の発表によると、中欧班列の武漢発着便は過去10年間で53路線を数え、ユーラシア大陸の40カ国116都市との間で安定した輸送ネットワークを築いている。2024年5月までに、武漢市を出発駅とした中欧班列は累計4,321便が運行し、貿易額は累計で982億2,700万元(約2兆1,610億円、1元=約22円)に達した。

物流ハブとしての機能強化目指す中部地域

中国中部地域(注2)の中でも、武漢市はその地理的優位性を生かして、鉄道輸送や水運の物流ハブとしての機能を強化している。2014年4月の定期運行開始後、武漢市を出発する中欧班列の運行数は、2015年に164便、2019年に408便、2022年に610便と増加基調が続いている(添付資料表参照)。ドイツ以外には、チェコやポーランドに向けた鉄道輸送を行っているほか、武漢市から広西チワン族自治区の欽州港までを鉄道輸送し、そこから東南アジアに海上輸送を行うルートや、日本や韓国から武漢市までを海上輸送し、欧州やモンゴルに鉄道輸送を行うルートなど、鉄道と海運の複合一貫輸送も確立している。

(注1)口岸は、税関が2国間の国境などに設置した検問所。アラシャンコウ市はカザフスタンとの国境に位置する中国側の都市で、鉄道の国際物流拠点の1つ。

(注2)一般的に湖北省、湖南省、河南省、江西省、安徽省、山西省の6省を指す。

(西島和希)

(中国、ドイツ)

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