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世界最大級のプレシードインベスター、テックスターズが東京でデモデー初開催(日本、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 1時20分

世界最大級のプレシードインベスターのテックスターズTechstars、本社:米国ニューヨーク)が日本に進出して初となるデモデーを東京で開催した。このデモデーは同社が819日~1112日の約3カ月間にわたって実施したスタートアップ・アクセラレーション・プログラム「Techstars Tokyo」の締めくくりとして、国内外の投資家を含む約450人を招いて開催したイベントだ。テックスターズから出資を受けた日系スタートアップ6社を含む欧米やアジアのスタートアップ12社(注1)が登壇した。

各社3分間のピッチでは自社紹介にとどまらず、約70万ドルの資金調達に成功したことや、日系大手企業から業務提携、企業合併の提案を受けたことなど、プログラム期間中の成果についても観客にアピールした。

写真 最初にピッチを行ったSamaria代表取締役の山﨑優子氏(テックスターズ東京提供)

最初にピッチを行ったSamaria代表取締役の山﨑優子氏(テックスターズ東京提供)

テックスターズの特徴として挙げられるのは、世界中に張り巡らされたメンターネットワークだ。現在12カ国33都市で43のアクセラレータープログラムを実施するテックスターズは4,100人以上のアクティブなメンターを抱えている。「Techstars Tokyo」でも3カ月のプログラム期間にわたって、連続起業家(注2)やユニコーン創業者、米ナスダック市場上場経験者など80人を超えるメンターが12社それぞれにメンタリング支援を提供してきた。デモデーには、各社をメインで担当したメンターも登壇し、創業者の熱意やプロダクトの競合優位性について語った。

写真 デモデーの集合写真(テックスターズ東京提供)

デモデーの集合写真(テックスターズ東京提供)

デモデーに合わせて訪日したテックスターズ創業者兼代表取締役のデビッド・コーヘン氏は「45年間、東京のスタートアップエコシステムを見てきたが、どれだけの発展があったかは明白だ。これはデータだけでなく、私自身が日本に来て肌で実感したものだ」と語った。また、ゲストの1人として参加した米国のアクセラレーターSOSVのゼネラルパートナーのビル・リアオ氏は「東京のスタートアップエコシステムにテックスターズのプラットフォームが組み込まれる瞬間に立ち会えたことをうれしく思う」と祝福の言葉を寄せた。

写真 登壇したデビッド・コーヘン氏(テックスターズ東京提供)

登壇したデビッド・コーヘン氏(テックスターズ東京提供)

最後に、テックスターズ東京のマネジングディレクターの白戸勇輝氏は「顧客開拓やチームメンバーの雇用といった共通の課題にともに向き合い、ギブ・ファースト(助け合い、注3)の精神を体現していた1社1社のことを誇りに思う。きょう参加いただいた(観客の)皆さまには、彼らの最大の支援者の1人となってほしい」とイベントを締めくくった。

ジェトロは2020年度からテックスターズとともに、スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(出資なし)で計105社の日系スタートアップを支援し、日本のスタートアップエコシステムに対する関心を醸成してきた。ジェトロの協力の下、プログラムの日本市場でのカスタマイズを実現することで、同社は日本進出を決め、2023年12月にアジアで初となる出資付きアクセラレーションプログラム「Techstars Tokyo」の実施に至った。

(注1)「Techstars Tokyo」では、79カ国・地域の応募の中から12社を採択。採択された企業はジェトロの2024年8月19日付お知らせ参照。

(注2)生涯にわたって新たな事業を何度も立ち上げる起業家のこと。

(注3)テックスターズは「ギブ・ファースト」の理念に基づいて活動している(2022年5月11日記事参照)。

(樽谷範哉、植田百香)

(日本、米国)

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