米国の51番目の州にとのトランプ氏の発言に9割が反対、カナダ世論調査(カナダ、米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月16日 10時10分
米国のドナルド・トランプ次期大統領は、就任前より各国からの輸入への追加関税について言及している(2024年11月26日記事参照)。2024年12月にはトランプ氏とカナダのジャスティン・トルドー首相との会見で、トランプ氏はカナダが米国の51番目の州になれば関税もなくなると発言したが、51番目の州になることにカナダ国民の9割が反対していることが、最近の世論調査から分かった。
カナダの非営利調査機関のアンガス・リード研究所は1月14日、カナダと米国との関係などに関する世論調査結果(注1)を発表した。カナダ人と米国人に対して、同じ質問を行った。それによれば、カナダ人では、カナダが51番目の州になることを「支持しない」割合は9割と大多数だった。10%は「支持する」と回答した。一方、米国人では、「支持しない」が49%と「支持する」(25%)を上回り、26%は「分からない」と回答した。
また、カナダ人では、トランプ氏の発言の真意を、「注意を引くために、誇張している」という見方が52%と過半だった。「本気で、真の野心」が32%、「分からない」が16%だった。米国人の回答では、「注意を引くために、誇張している」が44%と多数だったが、「分からない」が32%、「本気で、真の野心」は22%だった。
このような中、1月に入り、トルドー首相は辞任の意向を表明した(2025年1月7日記事参照)。調査会社レジェ・マーケティングが1月に実施した世論調査(注2)によれば、トルドー氏の後任として自由党党首に望ましい人物として、クリスティア・フリーランド前副首相兼財務相(13%)とマーク・カーニー元カナダ銀行総裁(12%)の支持率が拮抗(きっこう)している。自由党支持者に限れば、カーニー氏の支持率が27%と、フリーランド氏(21%)を上回った。
連邦選挙の実施を希望する時期については、「2025年10月」が32%、「2025年春」が30%、「今」が29%と意見が分かれた。
(注1)実施時期は2025年1月10~13日。対象者はカナダの成人1,653人、米国の成人1,716人。
(注2)実施時期は2025年1月10~13日。対象者はカナダの成人1,545人。
(松岡智恵子)
(カナダ、米国)
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