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国務院、市場参入制度に関する政策文書を発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月2日 0時30分

中国共産党中央委員会弁公庁、国務院弁公庁は8月21日、「市場参入制度の完備に関する意見」を発表した(文書は8月1日付)。

同意見は中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)の「市場参入制度を完備し、新業態・新分野における市場参入の環境を最適化する」という理念を貫徹し、開放的で透明性のある、ルール化され秩序づけられ、平等な競争がなされ、権利と責任が明確で、監督管理が強力な市場参入制度体系を構築することを目的としている。

同意見では、市場参入制度体系の構築にあたり、次の取り組みを打ち出している。

1. 市場参入ネガティブリスト管理モデルの完備
2. 市場参入ルールの科学的な策定
3. 市場への参入禁止・許可事項の合理的な設定
4. 市場参入管理措置の調整手順の明確化
5. 内資・外資に対する参入政策の調整・連携の強化
6. サービス業の市場参入規制の段階的な緩和
7. 新業態・新分野の市場参入環境の最適化
8. 市場参入規制緩和のパイロット事業の強化
9. 市場参入制度の着実な実行
10. 組織的実施の強化

1.では、市場参入管理措置は、すべて全国統一の市場参入ネガティブリスト(注1)に盛り込むとした。また、リスト以外の参入許可の設定と参入条件の追加は厳禁とするとした。

5.では、内資・外資の市場参入政策の調整・連携を強化し、既存の経営主体の参入機会を損なわないことを前提に、外資への内国民待遇(注2)の原則を堅持するとした。

7.では、深海、宇宙、航空、ヘルスケア、新エネルギー、人工知能(AI)、自主トラステッドコンピューティング(注3)、情報セキュリティー、スマート軌道交通、現代種苗業などの新業態・新分野に焦点を当てるとした。

8月21日の中国中央電視台(CCTV)では、「市場参入ネガティブリスト制度が2018年に実施されて以来、3回の改定を経て、リストの項目は23%削減され、2018年の151項目から現行の117項目に減少した。全国の市場参入が1つのリストでわかる管理モデルが全面的に確立された」と解説した。

なお、在中国日系企業などで構成する中国日本商会が7月10日に発表した「中国経済と日本企業2024年白書」では、「ネガティブリスト以外の法律・法規による参入規制の緩和」「規制緩和に向けた体制整備」などを求めている。

(注1)外資系企業を含むすべての企業に関して、参入が許可される項目と禁止される項目を示したリスト(2022年4月7日記事参照)。

(注2)外国人・外国企業を自国民・自国企業と同等に取り扱うこと。

(注3)トラステッドコンピューティングとは、システムが意図したとおりに動作することを実現するための、ハードウエアをベースとするネットワークセキュリティー技術を指し、マイクロソフト、インテル、グーグル、デル、IBM、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ヒューレット・パッカード(HP)など多数の企業が参加する団体TCG(Trusted Computing Group)が中心となって、TPM(Trusted Platform Module)と呼ばれるセキュリティーチップや各種基盤技術に関する仕様の策定などを行っている。

(蔣春霞)

(中国)

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