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全国ETS開始から3年、累計取引額約270億元(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月23日 0時15分

中国の全国炭素排出権取引制度(全国ETS)は、7月16日に2021年7月の運用開始から3周年を迎えた(2021年7月19日記事参照)。

全国ETSでは、政府が指定した発電事業者が義務的に割り当てられた炭素排出枠(CEA)を取引している。生態環境部の統計によると、7月15日時点でCEAの累計取引量は4億6,000万トン超、累計取引額は270億元(5,940億円、1元=約22円)近くに上る。

CEA1トン当たりの取引価格については、取引開始当初は40数元だったが、着実に上昇して現在は90元前後となっている。しかし、世界銀行のカーボン・プライシング・ダッシュボードによると、2024年4月1日時点のEU排出権取引制度(EU-ETS)の二酸化炭素(CO2)など1トン当たりの取引価格が61.30ドルだったのに対し、中国の全国ETSは12.57ドルと、いまだ5倍近い差がある。

現在、全国レベルの排出権取引の対象分野は発電事業者にとどまるが、2024年の全国人民代表大会(全人代)での政府活動報告では、「全国レベルの排出権取引の対象分野を拡大する」と明記した。北京市生態環境部は2023年12月21日に、CEA割り当て対象で排出量のオフセットを求められる2024年度の発電事業者のリストのほかに、鉄鋼、石油化学、建材、航空などの分野の7企業を含めた2024年度の炭素排出量管理企業リストを発表した。例年同様の取り組みだが、炭素排出量管理企業リストに入った企業は、CEA割り当て対象ではないが、国の要求に従って温室効果ガス(GHG)排出量の年次報告と検証作業の実施を要求される。発電事業者に限らず、年次報告などを求められているケースがある。

また、生態環境部は2024年3月15日と4月3日にそれぞれアルミニウム製錬分野、セメントクリンカ製造分野の「炭素排出量の計算・報告ガイドライン」と「炭素排出検証ガイドライン」の意見募集稿を作成・公表し、パブリックコメントを集めるなど、対象分野拡大に向けて段階的に取り組みを進めているもようだ。

(高畑友香)

(中国)

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