中国バッテリー素材大手BTRが進出計画を公表(モロッコ、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月9日 1時15分
中国の世界的バッテリー素材生産大手BTR New Material Group(注1、以下BTR)は2024年3月29日、モロッコ政府との間で投資協定を締結し、リチウムイオン電池用の電極(アノードとカソード)素材生産拠点を建設する計画を明らかにした。
年間の最大生産容量は5万トン、投資総額は30億モロッコ・ディルハム(約444億円、MAD、1MAD=約14.8円)、建設場所はスペインに近い国際貿易港タンジェの工業団地エリアであるモハメッド6世・タンジェ・テック・シティ(注2)内で、約2,500人の雇用を創出する予定だ。着工は2024年内とし、2026年9月には第1段階として容量2万5,000トン規模の試験操業を始めるもようだ。
締結式には、モロッコ政府からアジズ・アハヌシュ首相ら主要閣僚が出席しており、モロッコ側の熱意が見られた。モロッコ政府は、今回の合意を中国政府の推進する一帯一路構想に沿った両国経済連携の一環であるとする一方、電気自動車やクリーンエネルギーを軸に進行する自動車産業分野の再編において、モロッコの立ち位置を強化するものとしており、アフリカ大陸における自動車生産のリーダーを目指す姿勢を明らかにした。
グリーンエネルギー社会の実現を目指すモロッコは、コバルトを産出することから自動車産業分野ではリチウムイオンバッテリー生産への関心が高い。一方、中国企業にとってモロッコは、欧米と自由貿易協定(FTA)を結び、両地域にアクセスの良い地理的ポジションにあることから、当該市場向け製造拠点として魅力的な進出先に見えるようだ。
なお、中国のリチウムイオンバッテリー関係では、車載電池大手の国軒高科(Gotion High-Tech)が2023年5月に投資計画を発表している。
(注1)BTRは2000年設立。BYD、CATL、フォルクスワーゲン(VW)、テスラを顧客としている。
(注2)モハメッド6世・タンジェ・テック・シティ(La Cité Mohammed VI Tanger Tech)は工業都市プロジェクト。既に中国製造業が複数操業中で、中国交通建設(CCCC)や中国路橋工程(CRBC)も運営に参加している。
(本田雅英)
(モロッコ、中国)
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