ジェトロ、在日ルーマニア大使館と第2回イノベーションフォーラム・商談会を開催（ルーマニア、日本）

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ジェトロは6月28日、在日ルーマニア大使館との共催で、「第2回 日・ルーマニアイノベーションフォーラム・商談会」を東京で開催した。ルーマニアでビジネスを展開している企業による講演や、ルーマニアのスタートアップ企業によるピッチが行われ、同国とのビジネスに関心のある日本企業の50人を含む両国関係者ら約80人が参加した（注）。

本フォーラムのオープニングでは、ジェトロの片岡進副理事長、在日ルーマニア大使館のジェタ・メデレアヌ臨時代理大使が登壇した。両氏は、2023年3月に日本とルーマニアの関係が「戦略的パートナーシップ」に格上げされたこともあり、大変高いモチベーションの中で同年6月にルーマニアで開催した第1回同フォーラムに続き、今回も、世界的にITスキルの高い人材が豊富なルーマニアから自費で訪日したエネルギー、デジタル、ソフトウエアなどの分野のスタートアップ企業と日本企業との具体的な協業・連携につながることを期待すると述べた。

片岡ジェトロ副理事長によるオープニングスピーチ（ジェトロ撮影）

在日ルーマニア大使館のメデレアヌ臨時代理大使によるオープニングスピーチ（ジェトロ撮影）

続いて、ルーマニア初のユニコーン企業であるユーアイパス（UiPath）が、ロボティック・プロセス・オートメーション（RPA）の分野でグローバルに成功を収めた事例を紹介。人工知能（AI）や自動化のようなテクノロジーだけでなく、顧客のニーズに合わせた高品質なRPAの導入により、日本でも多くの企業や官公庁の業務を自動化し、働き方改革にも貢献しているとした。

続いて登壇した日立製作所は、ルーマニア事業として北西部クルージュ・ナポカと首都ブカレストなどにIT拠点があり、日本の顧客に対して、要望を日本拠点で受けた後、日立グループとして、グローバルベースでベストミックスのチームを構成して対応していると説明。代表例として、大成建設の生産プロセスのデジタルトランスフォーメーション（DX）の一環として導入した「建設承認メタバース」などを紹介した。

ルーマニア初のユニコーン企業 UiPath日本法人・長谷川康一会長（ジェトロ撮影）

日立製作所デジタルエンジニアリング・ビジネスユニットの後藤恵美シニアディレクター（ジェトロ撮影）

また、ffベンチャー・キャピタルは、ルーマニアはエンタープライズ・ソフトウエアや生産技術のスタートアップ人材が豊富であること、東欧の国立工科大学にはコンピュータサイエンスの学部があり英語ができるエンジニア人材が豊富であること、アマゾン、グーグルなどの研究開発（R＆D）拠点があることに加えて、UiPathのIPO（新規株式公開）により、次世代のスタートアップへの投資の動きは東欧の中でもルーマニアが圧倒的に優位にあると説明した。

フォーラムの後半では、今回ルーマニアから招待されたスタートアップ企業8社（添付資料参照）のピッチに続き、商談会が開催された。

イノベーションフォーラム会場の様子（ジェトロ撮影）

ルーマニアの2023年のスタートアップの資金調達金額は1億3,000万ユーロで、2020年の4倍以上に急増しており、その中で日本はアジア最大の投資国となっている。

（注）経済産業大臣政務官 吉田宣弘氏、日本・ルーマニア友好議員連盟会長 逢沢一郎氏、ルーマニア・日本友好議員連盟会長 シルヴィウ・ニク・マコヴェイ氏、在大阪ルーマニア名誉領事 加藤友康氏、ルーマニア研究・イノベーション・デジタル化省次官 ボグダン・デュメア氏、ルーマニア公営企業監視評価庁（AMEPIP）長官 ミハイ・プレクープ氏らも来場した。

（岩田薫）

（ルーマニア、日本）