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南米最大級のブラジル書籍展示会に72万人来場、日本漫画が人気(ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月26日 0時15分

南米最大級の書籍展示会「ビエンナル・インターナショナル・ド・リブロ・デ・サンパウロBienal Internacional do Livro de São Paulo」が9月6~15日、ブラジルのサンパウロ市で開催された。当展示会は2年おきに同市で開催されており、主催者の発表によると、27回目の今回は直近10年間で最多となる約72万人が来場した。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

会場には出版社や書店、コミックショップ、文具店など約200社が出展した。イタリアの出版大手パニーニは、ブースの外壁に同社がブラジルで出版している「SPY×FAMILY」「ダンダダン」「超人X」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」など、日本の漫画のイラストが描かれた大型パネルを複数設置しており、ブースには長蛇の列ができた。同展示会ではブラジル企業の出展も目立ち、現地出版社や書店によって日本の漫画が販売されている様子が多くみられた。

写真 来場者でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

来場者でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

「僕のヒーローアカデミア」など日本の少年漫画を会場で販売したブラジルの出版社は「ブラジルでは米国のコミック作品が人気だったが、ここ数年で日本の漫画人気が急上昇している。日本のアニメを見て育った子供たちが成長し、日本の漫画好きが増えた」と語った。1日1,000人以上が同社のブースを訪れたという。そのほとんどが10代から20代で、店頭に並んだ漫画に目がくぎ付けになっていたようだ。

少年漫画以外の日本の漫画も会場で販売されていた。「気になっている人が男じゃなかった」など、女性同士や男性同士の関係を描いた漫画などを取り扱うブラジル出版社は「日本の漫画はユニークで繊細なイラストと、シナリオの独自性から、読者に強く支持されている」と語った(注)。

写真 サンパウロ市から学生に配布された図書カード(ジェトロ撮影)

サンパウロ市から学生に配布された図書カード(ジェトロ撮影)

同展示会では、サンパウロ市政府から同市公立学校の学生にむけて60レアル分(約1,548円、1レアル=約25.8円)の図書カードが配られた。会場には学校単位で展示会を訪問している学生が多く、同カードが学生の漫画購入を促進していると語る出展者もいた。

(注)2023年12月8日時点で998の日本の漫画がブラジル国内で出版されているが、ジャンル別では、少年向け(327)、青年向け(331)、少女向け(118)の順で出版が多い。ブラジル国内での漫画市場概要については、ジェトロの調査レポート「ブラジルのコンテンツ市場(基礎情報)」を参照。

(伊藤優一)

(ブラジル)

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