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米下院、政府閉鎖回避のためのつなぎ予算法案を否決(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月20日 11時10分

米国連邦議会下院は9月18日、2025会計年度(2024年10月~2025年9月)の歳出法案成立までの間、政府閉鎖を回避するためのつなぎ予算法案を202対220で否決した。民主党に加え、共和党からも14人が反対にまわった。

共和党が過半数を占める下院では、2025年度歳出法案を2024年度(2024年9月末期限)内に成立させるべく審議を進めてきた。しかし、同歳出法案に含まれる12本の法案のうち、人工妊娠中絶や低所得者向け支援などの内容を含む法案を中心に、なお半数程度の法案が採決に至っていない。また、同歳出法案の下院通過後には意見の隔たりが大きい上院との協議も必要になることから、年度内の法案成立は極めて困難と見込まれており、成立までの間、つなぎ予算が必要な状況となっている。

今回下院が否決したつなぎ予算法案は、2025年3月28日までの6カ月間、2024年度歳出法と同規模での予算拠出を行うというもの。つなぎ予算法案に対しては、共和党内部で、歳出削減を強く求める保守派からの批判や、国防関連の歳出額が不足しているとの批判があったほか、民主党からは同法案とセットで提案されていた米国有権者資格保護法案(Safeguard American Voter Eligibility Act:SAVE法案、注)に対する批判や、つなぎ予算の期間を3カ月間に短縮するべきといった指摘があり、こうした批判が今回の採決で顕在化したかたちだ(議会専門紙「ザ・ヒル」9月18日)。

今後も政府閉鎖の回避に向けた議論は続けられるものの、民主党側から批判の強いSAVE法案に関しては、ドナルド・トランプ前大統領が「もし共和党がSAVE法案を成立させず、その全てを手に入れなければ、いかなるかたちであれ、つなぎ予算に同意すべきではない」として、つなぎ予算とセットで審議することを強く求めており、超党派での合意形成に際しての最大のハードルとなっている。

(注)SAVE法案に対しては、ホワイトハウスが声明を発表しており、(1)外国人が連邦選挙で投票することは既に違法なこと、(2)市民権を偽って主張したり、選挙で違法に投票したりした場合には、米国からの追放や入国の永久禁止の対象となるなど既に厳しい措置を取っていること、(3)有権者資格の確認は各州で効果的な措置が取られていることを挙げ、選挙の公正性の確保には役立たないと主張。これらに加え、同法案により有権者登録がはるかに困難となり、有権者が有権者名簿から不当に削除されるリスクを高めると述べ、反対の姿勢を示している。

(加藤翔一)

(米国)

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