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12月の米小売売上高は前月比0.4%増、自動車販売は好調も予想下回る(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月17日 13時25分

添付資料PDFファイル(208 KB)

米国商務省の速報(1月16日付)によると、12月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.4%増の7,292億ドル(添付資料表参照)で、ブルームバーグがまとめた市場予想(0.6%増)を下回った。なお、10月の売上高は、前月比0.4%増から0.6%増に、11月は同0.7%増(速報値、2024年12月18日記事参照)から0.8%増に、いずれも上方修正された。

自動車・同部品、ガソリンスタンドなどが押し上げ要因

業種別にみると、最も押し上げに寄与したのが自動車・同部品で前月比0.7%増の1,429億ドル(寄与度:プラス0.13ポイント)だった。自動車販売は、ドナルド・トランプ次期大統領が電気自動車(EV)に対する税額控除を廃止する懸念による駆け込み需要や、メーカーの優遇措置の拡大などを背景に、好調に推移した(ブルームバーグ1月16日)。ガソリンスタンドは、ガソリン価格の上昇(12月:前月比4.4%増、2025年1月16日記事参照)が寄与し、1.5%増の524億ドル(寄与度:プラス0.11ポイント)と伸長した。その他の項目(同0.09ポイント)では、衣料品や総合小売りなどプラスとなっている項目が複数あり、これまで買い控えていた消費者がクリスマス目前に実店舗での購入に踏み切った様子がうかがえる。一方、小売り統計で唯一のサービス項目のフードサービスは、前月比0.3%減の969億ドルと、2カ月連続の減少となった。

米金融機関ウェルズ・ファーゴのエコノミストらは「レストランの売り上げの減少は、買い物客が年末年始の購買支出を確保するために、ほかの裁量支出を控えた可能性がある」と述べた。また、調査会社グローバルデータのマネジングディレクターのニール・サンダース氏によると、2024年は割引が大きな購入動機となったため、オンラインの場合は特に企業の利益率が損なわれそうだと指摘し、消費志向はなお慎重だ(リテールダイブ1月16日)。

消費者マインドは悪化しており、民間調査会社コンファレンスボードが12月23日に発表した12月の消費者信頼感指数は前月比7.0ポイント減の104.7と、2024年9月(99.2)以来の低水準となった。内訳をみると、現在の雇用環境や経済状況を示す現況指数は140.2(11月:140.9)、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は81.1(同92.3)と、いずれも減少した(添付資料図参照)。

同社チーフエコノミストのダナ・ピーターソン氏は、現況に対する消費者の見方について「11月と比べ、12月の消費者は将来の景況感や収入に対する楽観的な見方を大幅に後退させた」と述べた。記述式の回答では、政治や関税への言及が増え続けた。回答者の46%がドナルド・トランプ次期大統領の関税政策で生活費が上昇すると予想した。

(樫葉さくら)

(米国)

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