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台北国際コンピュータ見本市COMPUTEX開催、半導体やICT業界世界大手のCEOらイベントに登壇(台湾)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 11時20分

台湾の台北市で6月4~7日、台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX TAIPEI、台北国際電脳展)が開催された。主催者の台湾貿易センター(TAITRA)と台北市コンピュータ協会(TCA)の発表では、出展者数は36カ国・地域から1,500社に及び、前回の1,000社から1.5倍に拡大した。

開幕式には頼清徳総統が出席し、総統就任演説と同様に、「台湾をAI(人工知能)のスマートアイランドにする」と強調したほか、目標実現の施策として「(1)安定的な電力供給、(2)産官学が利用できるスーパーコンピュータ設置、(3)半導体やAIなどの人材育成に注力していく」と述べた。

写真 開幕式に出席した頼清徳総統(中央、日本台湾交流協会台北事務所提供)

開幕式に出席した頼清徳総統(中央、日本台湾交流協会台北事務所提供)

開幕当日のCOMPUTEXのキーノートセッションには、米国のアドバンスト・マイクロ・デイバイセズ(AMD)、インテル、クアルコム、スーパーマイクロコンピュータ、台湾のメディアテックなど、半導体や情報通信技術(ICT)業界の世界大手の最高経営責任者(CEO)がスピーカーとして登壇した。

COMPUTEX開催前にはプレイベントとして、6月2に米国の画像処理半導体(GPU)メーカーのエヌビディアのジェンスン・ファンCEO、翌3日には米国の画像処理半導体(GPU)メーカーのAMDのリサ・スーCEOがそれぞれ講演を行った。

2日に台湾大学で講演を行ったジェンスン・ファンCEOは同社の主力製品のGPU「Blackwell」について、2025年に「Blackwell Ultra」を、2026年には次世代プラットフォームとして「Rubin」を投入すると発表。講演ではGPUを活用したAIの事例などを紹介した。また、同氏は5日に、台湾に同社として2カ所目の研究開発センターを設置する計画があることを発表した(「中央通訊社」6月5日)。

3日のAMDのリサ・スーCEOの基調講演では、ヒューレット・パッカード(HP)、レノボ(Lenovo)、エイスース(ASUS)のCEOや会長らもそれぞれ登壇。リサ・スーCEOとともに、AMDの最新ニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU、注1)を搭載した各社のAIパソコン(注2)を披露した。

写真 AIパソコンを披露するAMDのリサ・スーCEO(左)とエイスースのジョニー・シー会長(日本台湾交流協会台北事務所提供)

AIパソコンを披露するAMDのリサ・スーCEO(左)とエイスースのジョニー・シー会長(日本台湾交流協会台北事務所提供)

写真 エイスースのブースでAIパソコンを体験する来場者(日本台湾交流協会台北事務所提供)

エイスースのブースでAIパソコンを体験する来場者(日本台湾交流協会台北事務所提供)

エヌビディアとAMDはGPUの2強メーカーだ。GPUは大量の画像演算処理を同時に高速で行えることから、生成AIのトレーニングに不可欠だ。市場調査会社IoT Analyticsによると、2023年時点のデータセンター向けGPU市場シェアで、エヌビディアは92%、AMDは3%を占める。

また、両社はともに製造工場を持たないファブレスメーカーで、チップの製造は台湾積体電路製造(TSMC)に委託している。AI関連のサプライチェーンでも台湾の強みが見て取れる見本市となった。

(注1)製品名は「第3世代Gen AMD Ryzen AI」。1秒に50兆回の演算回数を有するAI専用の半導体。

(注2)AIパソコンの統一的な定義はないが、マイクロソフトが定める要件の1つは、CPU、GPUに加えてNPUを搭載することとされている。

(川名洋次郎、江田真由美)

(台湾)

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