メキシコ向け解禁後1年の日本産精米の輸入量は189トン、輸入企業は4社(メキシコ、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月17日 0時25分
2024年3月16日、メキシコへの日本産精米の輸入が解禁されて1年が経過した(2023年3月17日記事参照)。解禁時の輸入精米市場は6割以上が米国産だったが、2023年までの過去3年間で輸入価格が約5割増になっており、その高い品質だけでなく、価格面でも円安の追い風を受けていた日本産米へ期待が高まった。
5月に入り発表された統計によると、2022年のメキシコへの外国産精米(HS1006.30)の輸入量は年間7万1,596トンだったが、日本産米の解禁となった2023年3月以降の1年間(2023年4月~2024年3月)の統計をみると、22万4,942トンと約3.1倍になった(添付資料表参照)。原産国別では、米国産が変わらず1位であるものの、輸入量の割合は約4割(39.32%)まで下がり、ウルグアイ産(32.48%)との差が縮まった(2022年のウルグアイ産の割合は35.0%であるため、市場シェアに変化なし)。メキシコへ精米を輸出している10カ国のうち、輸入キロ単価がウルグアイ産(0.63ドル)の次に安価なタイ産(0.65ドル)が23.07%と市場シェアを伸ばしている。日本産米は輸入額36万1,714ドル、輸入量は189トン(注)、輸入キロ単価は1.91ドルだった。日本産精米の輸入キロ単価は輸入量上位10カ国の中で、イタリアの2.47ドルに次いで高い。
輸入解禁から1年以内に日本産精米の輸入に成功した事業者は、コメルシアル・トヨ(Comercial Toyo)、ジェイ・エフ・シー・デ・メヒコ(JFC de México)、ハンセアティック(Hanseatik)(2024年2月5日記事参照)、エンカウンター・ジャパン(Encounter Japan)の4社。このうちエンカウンター・ジャパン以外は、業務用に加えて小売店でも販売をしている。他方、メキシコで22店舗を展開する「すき家」は、2024年3月に全店舗で日本産米に切り替えるなど、一般消費者向けの販路が広がっている(2024年3月28日記事参照)。
本件に関連して、ジェトロへ特に問い合わせが多かった質問は、燻蒸(くんじょう)処理の要否で、これは検疫条件上、不要だ。また、関税割当枠に関する設定や、米粒の水分含有率の上限値、東京電力福島第1原発に関連した規制もないため、基本的に日本で生産される精米であれば、どの銘柄も輸入が可能だ。
(注)財務省貿易統計のメキシコ向け精米の輸出統計は186トンで、小数点以下の切り捨て値に鑑みると、全量がメキシコに直送されたことが分かる。
(志賀大祐)
(メキシコ、日本)
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