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米国土安全保障省、H-1B就労ビザ申請プロセス緩和と承認迅速化への最終規則発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月24日 10時35分

米国の国土安全保障省(DHS)は12月17日、雇用主が専門職の労働者をより迅速に確保し、米国経済の強化につなげることを目的として、H-1B就労ビザの申請プロセス緩和と承認の迅速化につながる最終規則を発表し、翌18日に官報でも公示した。2025年1月17日に発効する。

最終規則では、ビザ承認の迅速化を図るための幾つかの改善内容を定めた。例えば、専門職の定義と基準を現代化することにより、H-1Bの年間発給上限(注1)を免除できる申請者の幅を広げる。また、F-1学生ビザからH-1Bビザに切り替えを希望する場合、合法的に滞在できている期間に雇用許可が中断されることを避けるために、一定の柔軟性を拡大する。さらに、効率化を図るため、過去にH-1Bビザを承認されたことがある申請者に対しては、米国移民局(USCIS)による手続きが迅速に進められる。なお、これら規則の適用を受けるには、2025年1月17日以降、更新されたI-129申請フォームを使う必要がある。更新前の申請フォームを併用する猶予期間は設けない。

DHSは2024年1月30日にも、H-1Bビザのプログラムを改善する最終規則を発表していた。それまでは、雇用主が1人の労働者の申請に当たり、当選の可能性を高めるために何通も申請フォームを送ることを可能としていたが、この時の最終規則で、各申請者が同じ確率で当選するように登録システムの改修を行った。

DHSのアレハンドロ・マヨルカス長官は12月17日の発表で、「米国企業は、高度な技術を持つ人材を確保するために、H-1Bビザプログラムを頼り、それが米国の地域社会に恩恵をもたらすことにつながっている」と述べた。

他方、ドナルド・トランプ次期大統領は、政権を担っていた1期目在任中の2020年に、米国人労働者の雇用を保護するために、H-1Bビザプログラムを厳格化する幾つかの規則を発表した(2020年10月14日記事参照、注2)。次期副大統領のJ.D.バンス上院議員(共和党、オハイオ州)も2022年4月に、「H-1Bビザは悪用されている。多くの企業がH-1Bビザを利用し、米国人労働者の賃金を引き下げているからだ」などと述べている(「アクシオス」2022年4月22日)。2025年1月20日から始まるトランプ次期政権下で、各種ビザの発給に対してどのような方針が取られるのか、注目される。

(注1)H-1Bの年間発給上限は現在6万5,000人に設定されている。このうち、米国の大学から修士号以上で卒業した申請者は、2万人までは上記の上限から免除される。

(注2)同規則は発効しないまま、バイデン政権で撤回された(2021年12月24日記事参照)。

(吉田奈津絵)

(米国)

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