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ふぃっしゅいんてりあが日本産ホタテの商談会開催、和洋折衷のアレンジ提案(ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月11日 0時15分

日本の水産事業者「ふぃっしゅいんてりあ」(注1)は8月29日、ベトナム・ホーチミン市内のレストランで日本産ホタテの展示商談会を実施した。当地のバイヤー、5つ星ホテル、高級レストラン、中高所得者向け小売業者、保冷倉庫・物流事業者を招待の上、北海道産や青森県産、宮城県産のホタテを調理法に合わせた形状で展示し、それらを和洋折衷にアレンジした料理の試食と商談を行った。なお、同商談会は公益財団法人水産物安定供給推進機構のALPS処理水関連事業(注2)の一環として、日本の漁業者および水産事業者を支援し、ベトナム向けの輸出拡大とベトナム国内での消費拡大を目的としている。

写真 会場に展示されたさまざまな形状の日本産ホタテ(ジェトロ撮影)

会場に展示されたさまざまな形状の日本産ホタテ(ジェトロ撮影)

招待された中高所得者向け地場スーパーマーケット「アンナムグルメ」(注3)のチャン・ティ・ミン・トゥイ輸入責任者は「現在はまだ日本産水産物の取扱量は少ないため、この展示商談会において、高品質で、当店の顧客に需要のある日本産ホタテを見に来た。各産地のホタテを比較したい」と語った。また、地場で圧倒的な店舗数を誇る小売りチェーンの「ウィンマート」(注4)のフイン・ティ・バオ・チャム購買担当は「当社は店舗数が多いため、日本から輸入する場合は大ロットでの購入が可能。現在、まだ日本産水産物の取り扱いはないが、今後は水産物のほか、高品質な日本産青果物や加工食品も前向きに検討したい」と述べ、日本産農林水産物・食品の輸入に関心を示した。

財務省の貿易統計では、2024年1~6月に日本からベトナムへ輸出されたホタテ貝の輸出額は前年同期比7.9倍の32億8,700万円で、大幅に増加した。複数の水産事業者によると、ベトナム国内での消費も増加しているが、中国での委託加工がベトナムに代替されている影響が大きいという。「ふぃっしゅいんてりあ」の林剛生・代表取締役社長は「現地レストランで流通している日本産ホタテのほとんどがムキホタテ(冷蔵・冷凍の貝柱)で、刺し身や寿司(すし)などの用途で引き合いがある。今回の展示商談会をきっかけに、まだベトナムで知られてない寿司や刺し身以外のさまざまな調理法を知ってもらい、ベトナム人の食文化をさらに豊かにするとともに、日本産ホタテ商材の輸出向上につなげていきたい」と意気込みを語った。

(注1)ふぃっしゅいんてりあ(東京都東村山市)は、主に水産物の輸出販売を行うとともに、ハノイ市にあるベトナム法人から、ベトナム国内の飲食店などに活魚・鮮魚・冷凍加工品の配送を行う。ハノイ市に自社レストラン「RINGO」に持つ。2024年1月にホーチミンで、ベトナム輸出支援プラットフォームと連携した福島県産を中心とする水産物の試食商談会を実施(2024年2月7日記事参照)。

(注2)水産物安定供給推進機構の「多核種除去設備等処理水風評影響対策事業」のうち、販路拡大等支援事業(創意工夫型)に採択されている。

(注3)アンナムグルメは、ベトナム全国で14店舗を展開(9月4日時点の同社ウェブサイト)。高所得層向けで、輸入品を多く取り扱う。

(注4)ウィンマートは、ベトナム全国で131店舗を展開(9月4日時点の同社ウェブサイト)。同系列のミニスーパーは3,000店舗以上。

(河西朝子)

(ベトナム)

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