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人民銀行、ローンプライムレート引き下げ(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月24日 14時30分

添付資料PDFファイル(527 KB)

中国人民銀行(中央銀行)は7月22日、最優遇貸出金利の指標であるローンプライムレート(以下、LPR)の期間5年以上を3.95%から3.85%に、期間1年を3.45%から3.35%にそれぞれ0.10ポイント引き下げると発表した。期間5年以上は前回2024年2月(2024年2月21日記事参照)以来の5カ月ぶり、期間1年は2023年8月(2023年8月22日記事参照)以来の11カ月ぶりとなる(LPR推移は添付資料図1参照)。

中国人民銀行が7月12日に発表した「2024年上半期(1~6月)金融統計データ報告」では、6月末の人民元と外貨を合わせた貸出残高は255兆3,200億元(約5,617兆円、1元=約22円)で前年同月末比8.3%増だった。うち、人民元の貸出残高は250兆8,500億元で8.8%増と報告されている。2023年は増加率が10%を超えた水準で推移していたことから、貸出残高の伸びは徐々に鈍化がみられる(添付資料図2参照)。

中国人民銀行が4月30日に発表した「2024年第1四半期(1~3月)都市部預金者アンケート調査報告(注1)」では、「より消費する」と回答した割合が23.4%(前期比0.1ポイント増)、「より貯蓄する」が61.8%(前期比0.8ポイント増)、「より投資する」が14.9%(前期比0.7ポイント減)となった。「消費」は2019年以降ほぼ21~23%台で推移しているが、「投資」は減少傾向にあり、「貯蓄」は2019年第3四半期の44.5%をボトムに徐々に割合を高め、2023年第3四半期以降は60%を超えて推移している(添付資料図3参照)。

主要経済統計の観点では、中国国家統計局が7月15日に公表した2024年上半期(1~6月)のGDP実質成長率は前年同期比5.0%で、同年第1四半期(1~3月)の5.3%から減速した。第2四半期(4~6月)は前年同期比4.7%、前期比0.7%となり、前期比の伸びは第1四半期の1.5%から減速した。消費(社会消費品小売総額)、投資(固定資産投資)はともに第1四半期から減速している(2024年7月17日記事参照)。

中国人民銀行は7月22日に、LPR引き下げ以外にも景気刺激策を講じている。取引可能な債券の規模を拡大し、債券市場の需給圧力を緩和するため、7月からMLF(注2)の担保要件を段階的に引き下げていくと発表した。また、7日物リバースレポ金利を1.8%から1.7%に0.10ポイント引き下げた。

(注1)全国50都市、2万件の預金者を対象としたもので、四半期に1度実施している。

(注2)MLFは、中期貸出ファシリティー(Medium term Lending Facility)を指す。中国人民銀行が資金供給を行うための金融政策手段の1つ。MLFはLPRを算出する指針となる。

(亀山達也)

(中国)

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