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カナダ政府、ゼロエミッション車向け購入補助金の一部停止を発表(カナダ、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月17日 14時20分

カナダ政府は1月12日、ゼロエミッション車(ZEV)のうち、乗用目的の電気自動車(EV)向け補助金プログラム(iZEVプログラム)の停止を発表した。同プログラムはバッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の購入に際し、最大5,000カナダ・ドル(約54万円、Cドル、1Cドル=約108円)の連邦補助金を提供していた。アニータ・アナンド運輸相兼国内貿易相は1月10日、同プログラムの資金が尽き次第に停止すると発表しており、12日で予算が尽きたことから、プログラムは同日に正式に停止した。

アナンド氏はiZEVプログラムに関し、「プログラムが開始した2019年以来、54万6,000台以上の車両に対してインセンティブが提供され、カナダの新車販売のZEVの市場シェアは2019年の3.1%から、2024年の第3四半期(7~9月)時点で16.5%にまで伸びた」として、プログラムは大成功を収めたと評した。一方、同プログラムの停止が一時的なものなのか、恒久的なものなのかについては触れなかった。

なお、iZEVプログラムの終了は、商業用途の中型、大型ZEVに対する補助金プログラム(iMHZEVプログラム)に影響はなく、予算が尽きない限り、2026年3月31日まで引き続き受給できる。

iZEVプログラムの停止に対し、カナダ自動車ディーラー協会(CADA)のティム・ルース会長兼最高経営責任者(CEO)は「このような重要な取り組みを途中で打ち切る一方で、政府は2025年と2030年のZEV目標を積極的に維持している。政府が目標達成の意欲や支援を見せない一方で、業界や消費者に対して野心的なZEV目標や関連の罰則を科していることは矛盾している」として批判している。

日系企業のカナダに対するEV関連の投資は進んでおり、2023年9月に両国間で2つの協力覚書(MoC)を調印して以来(2023年9月22日記事参照)、2024年4月にはホンダがオンタリオ州でのEV完成車工場・EV用バッテリー工場の建設を含むEV包括的バリューチェーン構築計画を発表(2024年4月30日記事参照)、旭化成が2024年5月にリチウムイオン電池用湿式セパレーターの製膜・塗工一貫工場の建設を発表しており(2024年5月21日記事参照)、このプログラムに関する今後のカナダ政府の動向や産業界の反応が注目される。

(谷本皓哉)

(カナダ、日本)

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