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上海市第三中級人民法院、過去10年間の「知的財産権司法的保護状況と典型案件例」を公表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月6日 1時10分

中国の上海市第三中級人民法院(上海知識産権法院、上海鉄路運輸中級法院、以下、第三中院)は11月26日に記者会見を行い、直近10年間で第三中院が取り扱った知的財産権関連案件に関する「知的財産権司法的保護状況と典型案件例」を公表した。

発表によると、2015年から2024年上半期にかけて、第三中院が受理した知的財産権案件数は3万7,272件、結審件数は3万4,377件だった。受理した案件のうち民事一審の受理件数は2万3,548件、民事二審の受理件数は7,038件、行政一審の受理件数は23件、行政二審の受理件数は15件、民事保全案件は188件、管轄案件、再審案件などその他の案件は5,906件だった。刑事案件は554件、結審件数は552件。受理した刑事案件のうち一審の受理件数は113件、二審の受理件数は358件だった。

これらの案件について、主に次の特徴が挙げられる。

1. 新しい技術分野への広がり:近年受理した知的財産権紛争案件の分野は新しい産業、新しい技術分野へと発展する傾向を示しており、次世代情報技術、集積回路、遺伝子検査、ハイエンド設備製造、新素材、新エネルギー、デジタルクリエーティブなどの最先端分野をカバーしている。
2. 関係する地域の広さ:結審した知的財産権関連の民事案件のうち、渉外案件の関係国は31カ国に及び、当事者となった件数が多い国は、米国が最も多く471件で、日本139件、ドイツ135件、韓国95件、フランス74件などと続いた。
3. 社会的影響の大きさ:受理した民事案件のうち、訴額5,000万元(約10億5,000万円、1元=約21円)以上の訴訟提起件数は56件、1,000万元以上5,000万元未満は329件だった。受理した刑事案件のうち、犯罪金額1,000万元を超えた件数は23件、うち最高額となった案件では11億元以上に達した。
4. 訴訟の取り下げ、調停の結審案件が過半占める:結審した知的財産権案件のうち、判決を言い渡した件数は7,780件で、全体の23%を占めた。訴訟の取り下げ、または調停の結審案件は1万7,904件と53%を占めた。
5. 処罰の厳格化:過去10年間で被告人の7割が実刑判決を言い渡された。結審した知的財産権関連の刑事案件のうち、82人は100万元以上1,000万元未満の罰金が科され、うち11人は1,000万元以上の罰金、最高罰金額は9,000万元だった。

記者会見では、知的財産権に関連する典型的かつ意義を持つ民事、行政、刑事案件例が合計30件公表された。第三中院は、これらは特許、商標、著作権などをカバーしており、多国籍企業、有名ブランドに関連する同様の案件の審理に参考となるのみならず、裁判所が知的財産保護を強化する確たる決意を社会に伝えるものだと強調した

(陳貝蓓)

(中国)

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