南西アジア地域の世界報道自由度指数は低評価、選挙イヤーで警鐘鳴らす(インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月23日 0時50分
フランス・パリに本部を置く国際ジャーナリスト組織の国境なき記者団(Reporters Sans Frontières:RSF)は世界報道自由デーの5月3日、「世界報道自由度指数 2024(Press Freedom Index 2024)」を発表した。同指数は180カ国・地域のジャーナリズムを取り巻く環境について、政治概況、法的枠組み、経済概況、社会・文化状況、安全性の5指標を評価基準として評価している。
全世界的に選挙イヤーとなる2024年は、政治的指標の全世界平均が7.6ポイント低下したとしている。また、アジア・大洋州地域では32カ国・地域中、26カ国・地域でスコアが低下、RSFは同地域で情報統制の厳格化が進んでいることについて警鐘を鳴らしている。
南西アジア主要4カ国についての同ランキング概要は次のとおり。
インドは前年から順位を2つ上げて159位だったが、これは、同国の報道環境が好転したことを意味するのではなく、インドより上位につけていた国・地域のスコアが相対的に低下したことによるものとしている。インドでは、2013年から2022年にかけて報道環境に「問題あり(5段階で4番目に深刻)」としていたが、2023年以降は「非常に深刻(5段階で最も深刻)」な状況が続いている。
バングラデシュは前年の163位からさらに順位を下げて165位となり、3人のジャーナリストが殺害された事例を指摘した。
パキスタンも前年から順位を2つ落として152位となった。その背景として、ジャーナリストの恣意的な拘束や当局が関わったとみられる行方不明の件数が増加している点を挙げた。
スリランカは2023年の135位から大きく順位を落とし、150位を記録した。
同ランキングでは、ノルウェ―が8年連続で首位に立った。2位以下は、デンマーク(2023年3位)、スウェーデン(同4位)のほか、オランダ、フィンランドと主に北欧諸国が上位に名を連ねた。日本は70位と前年から2ランク順位を下げ、G7諸国の中で最下位だった。
(深津佑野)
(インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ)
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