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経済省幹部、進出日系企業にビジネス環境改善策を説明(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 1時10分

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで10月3日、経済省のフアン・パソ生産調整担当長官とパブロ・アグスティン・ラビン産業・商業長官は、在アルゼンチン日本大使館、進出日系企業に向けてハビエル・ミレイ政権の取り組みについて説明し、意見交換を行った。

パソ長官は、過去の政府による貿易への規制、価格統制、産業保護といった企業を苦しめた内向きの政策を大きく転換し、マクロ経済の安定、世界市場への統合、イノベーションと質的向上の3つの政策で、アルゼンチンを「普通の国」にするという現政権の政策方針を示した。

具体的な取り組み事例として、民間投資を促進するための大型投資奨励制度(RIGI)(2024年8月27日記事参照)、物価上昇の抑制と財政黒字の堅持、関税率の引き下げ、手続きの簡素化を挙げた。また、現政権の任期はまだ3年以上残っており、残りの期間で過去のうみを出し切ることを約束した。

ミレイ政権発足後の民間企業による直接投資の動向については、フランスのルノーが2024年9月に発表した3億5,000万ドルの投資、ステランティスが同じく9月に発表した3億8,500万ドルの投資を例に挙げた。そして、行政手続きの簡素化と規制緩和をさらに進めていくことで、新たな投資家による投資にも期待すると述べた。

外国為替市場へのアクセス自由化については、公式為替レートと優良スワップ取引(CCL取引またはブルーチップ・スワップ取引)レートを一本化することに取り組んでいるとしたが、その時期には言及しなかった。世界的な船舶の大型化に対応した港湾インフラの整備が遅れているとの指摘に対する政府の取り組みについては、港湾インフラの整備をコンセッション方式で民間資金を活用して整備していく方針で、そのためにRIGIも導入したとした。

中国経済の減速を背景に中国製品が国外に市場を求める動きが強まる中、中国原産の特定品目のアルゼンチンへの流入が急増している状況についてラビン長官は、不当廉売の動きがあれば、アンチダンピング税で対応するが、ミレイ政権の政策コンセプトは「自由」であり、産業保護のために関税を上げるということはできないとした。また、財政黒字により生まれる原資を国産品の価格抑制につながる減税に振り向けることについては、検討の余地があるとの見解を示した。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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