特許審査ハイウェイ（PPH）フェーズV、申請上限を大幅に拡大（ブラジル）

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月17日 0時15分

ブラジル産業財産庁は12月10日、2025年1月から始まるPPH（注1）パイロットプロジェクトのフェーズVについて定めた省令を公表した。同プロジェクトフェーズVの期間は、2029年12月31日まで。

フェーズVでは、これまで800件だった年間の申請件数の上限が3,200件に拡大された。なお、この全体の申請件数の中で別途課されていた、PCT-PPHの申請件数の上限（100件）については廃止された。また、国際特許分類の各セクションへの申請件数の上限は、年間250件から1,000件に拡大された。

ブラジルへのPPHはこれまで、年内途中に申請件数の上限に達していた（注2）。この度、申請件数の上限が大幅に拡大されたことにより、出願人がPPHを申請する時期の自由度が高まり、より適切なタイミングでブラジルにおいて特許を取得できるようになることが期待される。

（注1）PPH〔Patent Prosecution Highway（特許審査ハイウェイ）の略〕は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁（先行庁）で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁（後続庁）で簡易な手続きで早期審査が受けられるようにする枠組み。PCT-PPHは、PCT（特許協力条約）出願の国際段階成果物を利用したPPH。

（注2）2024年は、PCT-PPHが3月に、PPH全体が7月に上限に到達。

（安田勇太）

（ブラジル）