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小鵬匯天、初の分割型空飛ぶクルマ「陸地航母」を発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月18日 0時5分

中国の電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(Xpeng)傘下でエアモビリティーを開発する広東匯天航空航天科技(AeroHT)は9月3日、自社製の分割型空飛ぶクルマ「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」(注1)を披露し、公開試験飛行を行った。「陸地航母」は2024年11月に珠海市で開催する「第15回中国国際航空航天博覧会」で初の有人飛行を行う予定。また、同じく11月開催の広州国際モーターショーに参加し、同年末には先行販売を開始する予定だ。

AeroHTの発表によると、同社は「陸地航母」の応用シーンとして、遊覧飛行のほか、医療救護や高所からの避難などの緊急対応も構想し、離着陸場所などの建設を進めている。現時点でAeroHTは専用飛行場や景勝地、都市郊外など70カ所を超える場所と契約を結んでおり、年末までに200カ所超に拡大する計画だ。

同社は今後の製品戦略について、第1段階として「陸地航母」を発売し、限定したシーンでの飛行と公共サービス分野での応用を開始する。「陸地航母」の量産化と販売規模の拡大を通じ、低空飛行産業のサプライチェーンとエコシステムを構築し、空飛ぶクルマのビジネスモデルを検証する。第2段階として、高速かつ長航程の電動垂直離着陸機(eVTOL)製品を発売し、低空飛行の各関連分野と共同で、eVTOLによる都市間の移動を推進する。第3段階では、陸空一体型空飛ぶクルマ(注2)を発売し、都市間の移動のみならず、都市内の建物間の移動など、より日常的な空飛ぶクルマの利用を実現する。

また、AeroHTは7月4日、「広東省低空経済の質の高い発展大会」で、広州経済技術開発区、黄埔区と「小鵬匯天の空飛ぶクルマプロジェクト投資協力協定」を締結した。同区は空飛ぶクルマに関連した用地、融資、応用シーンなどの各方面でAeroHTをサポートし、共同で空飛ぶクルマの研究開発、量産と応用の推進に協力していくことに同意した。

(注1)分割型空飛ぶクルマ「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」は、陸上走行モジュールと飛行モジュールから構成される。各モジュールは完全分離でき、飛行時は飛行モジュール単体で飛行、陸上走行時は飛行モジュールを陸上走行モジュール内に完全収納した状態で地上走行を行う。

(注2)陸空一体型空飛ぶクルマは、陸上走行モジュールと飛行モジュールが一体となった空飛ぶクルマ。陸上走行時は飛行モジュールを折りたたみ、変形させることで陸上走行モジュール内に完全収納し、走行する。飛行時は飛行モジュールを展開し、飛行する。

(梁梓園)

(中国)

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