日本ペルー経済協議会、リマで5年ぶり開催(ペルー、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月21日 11時45分
ペルーの首都リマで10月16日、第15回日本ペルー経済協議会(CEPEJA)が開催された。ペルーでの開催は2019年以来5年ぶりで、両国の企業・政府関係者ら約220人が参加した。
経済関係が緊密化する両国で将来にわたる連携強化の可能性について、「持続可能な経済発展と経済安全保障」「経済強靭(きょうじん)化」「人的交流」の観点から意見交換が行われた。日本企業からは、世界情勢が厳しさを増す中でも南米地域は地政学リスクが少なく、特にペルーはマクロ経済が長期的に安定していることから、両国の関係強化が重要との声が多く聞かれた。
ホセ・アリスタ経済財政相は、ペルーが投資国として評価されている理由について、物価の安定、国の負債が少なく外貨準備が潤沢で、マクロ経済が健全であることを挙げた。また法的安全性と投資の自由化、太平洋に面する地理的優位性と港湾・空港の整備により運輸面での南米地域のハブ化が進むこと、日本とペルーは経済連携協定(EPA)が発効して12年経ち貿易の進めやすさと両国ビジネス関係の強化につながっていることについても触れた。今後の投資の有望分野として、交通インフラ、港湾、通信などのコンセッションへの日本企業の参画のほか、鉱業エネルギー分野、ペルーが競争力を有するブドウ、ブルーベリー、アスパラガス、キヌアなど農業分野での日本企業の活動に期待を示した。
ディエゴ・マセラ中央銀行理事は、ペルー経済が1990年以降、安定的に推移している理由として、財政規律、国内外の民間投資家の保護、中銀の独立性を挙げた。これらにより、1979年から1992年までのペルーの平均経済成長率は主要中南米諸国の中で最も低い0.0%だったが、1993年から2023年までの平均経済成長率は4.3%で、主要中南米諸国の中で最も高かったことを説明した。
協議会の議論を踏まえて、安永竜夫日本側委員長とマルティン・ペレス・ペルー側委員長が、両国ビジネス関係をさらに強化する共同声明に署名し、採択された。翌10月17日にディナ・ボルアルテ大統領に提出された。11月にリマでAPEC首脳会議が行われるタイミングに合わせ、両国間で戦略的パートナシップ強化に向けたロードマップへの署名が予定されており、それを踏まえ、企業側からみた提言につながった。
(石田達也)
(ペルー、日本)
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