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バイデン米大統領、「経済的威圧対策タスクフォース」の設置を発表(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月16日 11時20分

米国のジョー・バイデン大統領は12月12日、「経済的威圧対策タスクフォース」の設置を発表した。タスクフォースは、中国を含む懸念国による経済的威圧の増加に対処するため、省庁間での取り組みを監督し、各国の潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を評価し、抑止を含む経済的威圧への対応策の提案を目的としている。対応策には、米国単独のみならず多国間での措置も含まれる。タスクフォースは、2023会計年度国防権限法で、同法成立後180日以内の設置が義務付けられていた。

タスクフォースは、大統領補佐官(国家安全保障担当)が議長、国家経済会議(NEC)委員長が副議長を務め、国務省、財務省、国防総省、司法省、農務省、商務省、労働省、エネルギー省、国土安全保障省、米国通商代表部(USTR)など、17の省庁や機関の代表で構成される(注)。発足から180日以内に、中国が現在使用している、または将来使用し得る経済的措置のレビュー、中国の経済的威圧に対応するための戦略、中国による経済的威圧の定義、米国政府が経済的威圧に対して取れる措置のレビュー、中国の経済的威圧に対する先制措置、中国の経済的威圧に対する米国の同盟・パートナー国の脆弱性などについて議会に報告書を提出する。その後1年以内に最初の暫定報告書を、さらにその後1年以内に2度目の暫定報告書を提出する。そして2度目の暫定報告書提出から30日以内に、最終報告書を提出する。タスクフォースはまた、中国による経済的威圧から生じる損害に対処するための政策および規制に関して、大統領に定期的に提言する。

経済的威圧に対しては、G7首脳会合で協調した対応を取ることで一致しているほか(2023年8月29日付地域・分析レポート2024年6月19日記事参照)、米国は、日本と韓国とも協調して対応する方針を示している(2024年4月18日記事参照)。

バイデン大統領は同日、同じく2023会計年度国防権限法に基づき、中国による米国市民や米国企業に対する検閲の影響を監視し、対処するための「中国検閲監視および行動タスクフォース」の設置も発表した。同タスクフォースは、少なくとも年2回、会合を開催する。また、タスクフォース発足から180日以内に最初の報告書を大統領および議会に提出して以降、毎年、年次報告書を提出する。

(注)そのほかの政府機関は、保健福祉省、国家情報長官室、中央情報局(CIA)、国際開発庁、輸出入銀行、貿易開発庁、国際開発金融公社。これらに加え、大統領が指定する機関の代表なども参加する。

(赤平大寿)

(米国、中国)

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