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2024年AIPPI世界知的財産権大会が中国で初開催(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月28日 0時40分

中国国際貿易促進委員会と国際知的財産保護協会(以下、AIPPI)は10月19~22日、浙江省杭州市で「2024年世界知的財産権大会」を共同で開催した。同大会が中国で開催されるのは初となる。「知的財産権の適切な保護と革新的な発展」をテーマとして、約2,300人の知的財産権業界関係者が参加した。うち、海外からは92カ国・地域から1,500人が参加した。開催初日の19日に祝辞を寄せた習近平国家主席は、中国は一貫して知的財産権の保護を高度に重視しており、今後も「知的財産権強国」の建設をさらに推進していくと強調。関係各国・地域との協力をもって、イノベーションの発展に資する国際環境の構築に中国が貢献していくなどと表明した

同大会では、主に(1)特許における現有技術(注)の開示要件および要求どおりに開示されなかった際の対処法、(2)商標の顕著性が弱い場合に商標保護に与える影響、(3)パロディによる著作権侵害の該当性、(4)知的財産権の行使における権利乱用、の4つの議題に沿って議論された。最終日に同議題の採決結果を「2024年AIPPI杭州決議」としてまとめ、世界知的所有権機関(WIPO)や各国政府・関連機関に同大会の成果物として提出した。

また、AIPPIのナズル・コルクト(Nazli Korkut)秘書長は、越境EC(電子商取引)の権利侵害案件を例として、知的財産権保護における国際交流と協力の重要性を説明した。10月21日には、アリババ、テンセント、抖音(Douyin)、アマゾン中国などの代表者を招き、ECプラットフォームとソーシャルメディアにおける知的財産権の紛争解決について討論した。

大会開催前日の10月18日には、杭州市中級人民法院が人工知能(AI)分野の「AIデジタルヒューマン」による特許権侵害紛争の案件を公開審理し、同大会の参加者100人近くが傍聴した。現地報道によると、日本AIPPIの奥山尚一会長は「デジタル経済が発展している杭州市では、AIやビッグデータなど新たな分野かつ興味深い案件の裁判が行われている。同裁判の判決は、(AIやビックデータなどの)関連企業の今後の活動のあり方に関わってくることから、杭州裁判所の判決は世界中から注目されている」とコメントした(「潮新聞」10月21日)。

(注)出願日(優先権がある場合には、優先権日を指す)以前に国内外において公衆に知れた技術のことを指す。また、出願日前に国外においてその他のかたちで公開された行為も含む。

(許蓓莉)

(中国)

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