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「赤い州」テキサスと米国南部で、大統領・連邦上院議会選ともに共和党候補者が圧勝(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月13日 14時0分

添付資料PDFファイル(243 KB)

米国テキサス州と南部4州(注1)では、11月5日の大統領選挙、連邦上院議会選挙ともに共和党が圧勝した(添付資料参照:南部5州の選挙結果)。

大統領選では、テキサス州でドナルド・トランプ前大統領(共和党)が637万5,442票(得票率56.3%)と、カマラ・ハリス副大統領(民主党)の480万6,487票(42.4%)を上回り、選挙人40人を獲得した(AP通信、開票率99%)。両候補の得票率の差は13.9ポイントとなり、2020年選挙においてトランプ氏が同州でジョー・バイデン大統領に勝利した際の5.5ポイント差の2倍以上となった。さらに、テキサス以外の南部4州では、いずれも22ポイント以上の得票率差をつけてトランプ氏が圧勝した。

テキサス州では、1980年に当時現職のジミー・カーター大統領(民主党)が共和党候補のロナルド・レーガン氏に大敗して以来、共和党の勝利が続いている。2004年のジョージ・W・ブッシュ氏の大統領当選時は、民主党候補との得票差が20ポイント以上あったが、トランプ氏が参戦した直近2回(2016年、2020年)の大統領選挙では、トランプ氏が勝利を収めながらも、得票率差はそれぞれ8.6、5.5と1桁ポイントに落ちていた。

連邦上院議員選では、テキサス州選出の現職テッド・クルーズ氏(共和党)が3期目続投となり、民主党候補のコリン・オールレッド連邦下院議員の挑戦を退けた。テキサス州で選挙の3週間前に開催された連邦上院議員候補の討論会では、人工妊娠中絶の権利やトランスジェンダーを支持するオールレッド氏に対して、クルーズ氏は両課題に反対の立場で「テキサスはテキサスのまま(Keep Texas, Texas)」として保守的な姿勢を強調していた。ミシシッピ州では、2007年から現職のロジャー・ウィッカー連邦上院議員(共和党)が、過去2回と同様、民主党候補に大差をつけて勝利した。

テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は「これがテキサスの明確なメッセージだ。民衆は、安全な生活圏と、強固な国境、子供たちにとって最良の学校を選ぶ権利を求めている。共和党の候補者らこそが、これらを有権者にもたらすことができる」と、同党の歴史的勝利を祝うコメントを寄せた(「テキサストリビューン」紙11月6日)。アボット知事は2023年11月に「国境を守れる大統領が必要」として、トランプ氏の支持を表明していた。

テキサス州は伝統的に共和党支持傾向にあり、「赤い州」と呼ばれている。今回の選挙では、中絶の権利や国境の移民対策、私立学校の授業料補助制度が注目され、事前の調査でも同州はトランプ氏優勢との予測だった(「ニューヨーク・タイムズ」紙11月5日時点)。テキサスと同様、南部4州も「赤い州」で、今回の選挙結果でも共和党支持が強くあらわれたかたちとなったが、オクラホマ州を除いて、南部の主要都市(注2)は、逆に民主党を支持する傾向にある。

(注1)オクラホマ、ルイジアナ、アーカンソー、ミシシッピの4州。

(注2)テキサス州首都オースティン、ヒューストン、ダラス、サンアントニオ、エルパソ。ルイジアナ州首都バトンルージュ、ニューオーリンズ、シュリーブポート。アーカンソー州首都リトルロック、ミシシッピ州首都ジャクソン。

(キリアン知佳)

(米国)

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