ITのネイバー、「新型コロナ禍」で在宅需要を取り込み好業績(韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2020年11月6日 0時10分
韓国IT最大手のNAVER(ネイバー)が10月29日発表した2020年第3四半期(7~9月)の連結決算は、売上高が1兆3,608億ウォン(約1,252億円、1ウォン=約0.092円)と前年同期比24.2%増加した(添付資料表参照)(注1)。好調なネット通販やモバイル決済などが押し上げ、2四半期連続で過去最高の売上高を記録した。営業利益は1.8%増の2,917億ウォン、純利益は2.8倍の2,353億ウォンだった。
売上高を事業別にみると、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした消費者の非対面志向の高まりや巣ごもり消費の拡大で、コマース(ネット通販)事業が前年同期比40.9%増の2,854億ウォンだった。ライブコマース強化や物流効率化も、売り上げ増を後押しした。フィンテック事業は、モバイル決済サービス「ネイバーペイ」の決済取扱高の急増(62%増の6兆8,000億ウォン)で、67.6%増の1,740億ウォンだった。
新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務やオンライン教育が急速に普及したことから、クラウド事業は763億ウォン(前年同期比66.2%増)と大幅増加した。巣ごもり消費の拡大で、デジタル漫画(ウェブトゥーン)や音楽・コンサート配信などコンテンツ事業も1,150億ウォン(31.8%増)と好調だった。主力の検索プラットフォーム事業は、検索連動型広告の拡充による広告収入増(26.3%増)で、7,101億ウォン(8.2%増)と堅調な伸びを示した。
ネイバーは、CJグループ3社との相互出資を通じた戦略的提携によりエンターテインメントと物流分野で協業を進め、グローバル市場での成長を目指すとしている。物流大手CJロジスティクスと物流・配送データを共有し、ネット通販ユーザーと出店事業者に差別化したサービス提供を目指す。CJエンターテインメントおよびスタジオドラゴンとの協力により、映画、ドラマなどコンテンツ分野のグローバル市場での競争力を強化する(注2)。
(注1)子会社のLINEを第3四半期より連結集計対象から外したため、LINEの収益・費用は含まれない。
(注2)CJエンターテインメントは、米国アカデミー賞の作品賞受賞映画「パラサイト 半地下の家族」などを配給した映画製作・配給会社。スタジオドラゴンは「愛の不時着」など多くのヒット作を輩出したドラマ制作・配給会社。
(原実)
(韓国)
この記事に関連するニュース
-
ファナックが営業減益予想を一転、2割増に上方修正 中国の回復牽引
ロイター / 2021年1月27日 18時2分
-
電子コミック事業の第3四半期売上高が昨年度の年間売上を突破
@Press / 2021年1月27日 12時10分
-
日本電産、営業利益予想を上方修正 巣ごもりで高付加価値品が伸長
ロイター / 2021年1月25日 19時0分
-
米国の年末商戦、売上高8%増 巣ごもり好調、予想上回る
共同通信 / 2021年1月16日 7時46分
-
ファーストリテイリング 営業利益23%増 巣ごもり需要で部屋着やヒートテック毛布などが好調
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月15日 12時15分
ランキング
-
1バイデン政権の対中政策で「戦略的忍耐」復活か オバマ政権時代の外交失策を象徴 識者「政権の本音が出た可能性」
夕刊フジ / 2021年1月27日 17時21分
-
2定額給付金の予定ない、最終的には生活保護ある=菅首相
ロイター / 2021年1月27日 11時23分
-
3東京五輪、米フロリダ州での開催をIOCに申し入れ=州当局者
ロイター / 2021年1月27日 8時2分
-
4北朝鮮が経済難と極寒の中で党大会、過酷すぎる待遇で参加者は激ヤセ?=韓国ネット「ぞっとする」
Record China / 2021年1月27日 19時20分
-
5「また日本が先だった」バイデン政権の電話の順番に韓国メディア落胆=韓国ネット「順番より内容が大事」
Record China / 2021年1月27日 22時20分